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データセンターの新ブランド「Nexcenter」もスタート!

ロータリUPS国内初導入!NTT Comの東京第6データセンター

2013年04月24日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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4月23日、NTTコミュニケーションズは東京都北区に「東京第6データセンター」をオープンした。また、新たに「Nexcenter」ブランドを創設し、統一した品質とサービスレベルの高度化を目指すという。

第6データセンターも万全の災害対策

 東京第6データセンターは、東京都北区に位置しており、JR山手線から徒歩7分という至便な立地となっている。地上6階のビルはサーバー棟オフィス棟に別れており、両者の述べ床面積は約2万2000㎡となる。サーバールーム面積は約3000ラックに相当する約7200㎡で、今回のオープン時はこのうち1000ラック相当分のサーバールームが利用可能になっている。

地上6階建ての東京第6データセンターの外観

 東京第6データセンターの特徴は、「ポスト東日本大震災」で必須のスペックとなる耐障害性だ。震災直後にオープンした東京第5データセンターも災害への備えはかなり高いレベルだったが、東京第6データセンターも災害を意識して設計されている。建物自体は安定した地盤層に支持されており、液状化の危険性もない。また、東京湾から約10km、荒川から約2km離れているのに加え、万が一の津波・洪水・高波に対しても、建物基礎を敷地より約1.4m程度底上げし、万全の防水対策を実現しているという。さらに通信ルートも一般管路よりも巨大で堅牢な耐震トンネル「とう道」に直結されており、隣接のNTTの局舎に接続されている。

 また、建物基盤はN値60以上の強固な地盤にくい打ちしており、サーバー棟は建物免震構造を採用。揺れを吸収するために、積層ゴム支承、鉛プラグ入り積層ゴム支承、直動転がり支承、オイルダンパーなど4種類の免震装置を組み合わせている。ここらへんは2011年にオープンした東京第5センターとほぼ同様の構造。これにより、地震による建物への衝撃を最大80%低減し、サーバー機器やHDDの誤動作を抑制する。一方で、オフィス棟は“免震”ではなく、“耐震”構造にして、コストセーブを図っているという。

免震装置の1つである積層ゴム支承

同じく免震装置のオイルダンパー

 また、東京第6データセンターはコストパフォーマンスの高さも売りだ。これは基本的には機器の実装密度を高めたことで実現した。具体的にはラックの幅を700mmから600mmに縮小したほか、高さを最大46Uまで拡げた。ラックあたりの供給電力も9kVA、積載容量も750kgにまで拡大し、いずれも従来の1.5倍に引き上げた。大口割引適用時にはなるが、同社の試算では運用コストを従来から約半分に引き下げられるという。なお、床耐荷重は1.5トンで、800mm床上げされている。

広々としたコロケーションルーム

 省エネ性能もPUE1.2と都市型データセンターとしてはかなり高い。第5データセンターのPUEも1.45だったが、第6データセンターではさらに効率を向上させたことになる。東京第6データセンターでは外気を壁面のフィルター経由で直接取り込み、冷水を用いた空調機で冷却するシステムを導入した。サーバールームでは標準でアイルキャッピングが施されており、床下からラック前面に排出される冷気を保つコールドアイルと排気側のホットアイルを分離。壁面のダンパーを動作させることで、暖気が外に排出されるという構造になる。年間の6割程度は外気冷房システムで運用できると見込んでいる。

冷水を用いた空調機器を用意

空調室外機の屋上のモジュールチラー

(次ページ、保守体制まで考えたロータリーUPSの導入)


 

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