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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第300回

ニコン「D600」とオリンパス「OM-D」で撮る神社仏閣の猫たち

2013年04月19日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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神社っぽい背景の猫写真

 うれしいのは、神社っぽい背景で撮れたとき。

 神社猫の写真、といったら誰が見ても「ああ確かにここは神社だわ」ってわかる方がいい。

 これがなかなか難しい。拝殿や鳥居の近くにいても、人間が近づくとさっと逃げちゃったりするから。で、神社を訪れるときはたいてい猫目的じゃないので、気がついたときは遅かったりするのだ。

 住宅に挟まれたすごく小さな世田谷区の神社。昔は大きかったのだろうけど(バス停の名前にもなってるし)、今は小ぶりの鳥居ギリギリの幅しかなく、奥にはほこらがひとつあるだけどいうお稲荷さん。

 「あ、こんなところに神社があったんだ」とプチ神社好きの私が入っていこうとすると、奥にハチワレがちょこんと座ってる。

 いかん、これを撮りたい。でも警戒されてるから不用意に近づくと逃げられる、ってんでその場に立ち止まり、猫と目を合わせないようにしてそーっとカメラを取り出す。

 目を合わせると向こうの警戒モードが強くなるので、できるだけ合わせない方がいい。まあ、目をそらすとその好きにどっか行っちゃうこともあるのだけど、そうなったらそうなったで仕方が無いのだ。猫の気持ち優先で。

 で、カメラをそっと構えてそっと撮ったのがこれ。

小さな稲荷の狐とハチワレ猫。猫と狐が仲良くおそろい(2012年11月 オリンパス OM-D E-M5)

小さな稲荷の狐とハチワレ猫。猫と狐が仲良くおそろい(2012年11月 オリンパス OM-D E-M5)

 狐とおそろいのポーズ。動かないでそのままでいてくれてよかった。

 天気が悪くてモヤっとしてるのが残念だけど、神社には曇天下のしっとりした感じが似合うといえば似合う。

 最後はつい先週撮った写真。神奈川県の秦野にある大きな稲荷。散歩ついでに立ち寄ったら、遠くの畑でくつろいでた猫がとことことことこちらに歩いてきて、それを目で追ってたら、拝殿の上に飛び乗ってちょこん。それがちょうど奉納された絵馬の後ろだったのだ。

 だから絵馬越しに撮影。

ちょうどいいところに顔を出してくれたので、絵馬越しに撮影。その辺でゴロゴロ転がっていたので背中がちょっと汚れてます(2013年4月 オリンパス OM-D E-M5)

ちょうどいいところに顔を出してくれたので、絵馬越しに撮影。その辺でゴロゴロ転がっていたので背中がちょっと汚れてます(2013年4月 オリンパス OM-D E-M5)

 ほんとはもうちょっと近づいて撮りたかったけど、警戒されてるときは互いに「ここまでは近づいてもいいよね」って距離を保つべし、ってとこで。

 それにしても一緒に写ってしまった絵馬の願い事が平和なものでよかった……ただ、この場合「推選」じゃなく「推薦」と書くべきではないかと。その辺がちと不安はであります。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイ ン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを探す日々。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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