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「モバイルソリューションバンドル」をデモ

MDMだけじゃない!シトリックスはアプリまで一括管理

2013年04月16日 08時00分更新

文● 渡邊利和

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4月15日、シトリックス・システムズ・ジャパンは企業向けモバイルソリューション「モバイルソリューションバンドル」に関する説明を行なった。概要はすでに国内でも2月末に紹介されている製品だが、今回は実際の動作をイメージできるデモも公開され、より具体的な内容が明らかになっている。

MDMとアプリケーション管理を統合

 モバイル ソリューション バンドルは、「XenMobile MDM」と「Citrix Cloud Gateway」を組み合わせることでモバイルユーザー/スマートデバイスをデバイスレベルからサービス/アプリケーションのレベルまで一元管理することを目指した製品だ。MDMに関しては、今年1月に買収完了したZenpriseの製品が使われている。

 モバイルデバイス管理(MDM:Mobile Device Management)には、セキュリティを担保するためのリモートワイプや運用管理者による一元的なポリシー設定などの機能が提供される。しかし、基本的にはモバイルデバイス側でサポートしている機能をリモートから活用する形で実装される以上、ある程度熟成が進めば機能面で競合製品に対して大幅な優位性を実現するのは難しくなり、使い勝手などの付加価値の部分での差別化が重要になってくる。そうした状況から同社は、Cloud Gatewayとの組み合わせによってモバイルワークスタイルを包括的に管理可能とする方向で差別化を図っている。現時点では買収完了から間もないこともあって両製品が完全に統合されているという段階には至っていないが、今後統合/連携がより強化されていく方向であることは間違いない。

 モバイル ソリューション バンドルでは、5つの主要機能として「エンタープライズ向けMDM」「メール、データ、ブラウザ」「MDXテクノロジーによるモバイルアプリコンテナ」「統合アプリストア(Windows、Web/SaaS、モバイル)」「ID連携とSSO(シナリオベースのアクセス制御」が挙げられているが、これを見てもMDMは機能のごく一部に過ぎないことが分かるだろう。

モバイル ソリューション バンドルの主要な5つの機能

モバイル ソリューション バンドルの構成要素

 なお、MDXテクノロジーは「iOS、Android、HTML5などのWebおよびネイティブモバイルアプリケーションの管理、セキュリティ保護、制御を可能に」する技術で、利用条件に応じたポリシー適用やアプリごとのVPN(マイクロVPN)の活用(MDX Access)、アプリケーションのシームレスな連携動作(MDX Interapp)、セキュアコンテナを使用したアプリケーションの分離やデータの暗号化など(MDX Vault)といった企業内でモバイルデバイスを活用する際に求められる機能を実現している。

シトリックス・システムズ・ジャパン 事業開発本部 プロダクトマーケティング部 シニアプロダクトマーケティングマネージャー 的場 謙一郎氏

 説明を行なった同社の事業開発本部 プロダクトマーケティング部 シニアプロダクトマーケティングマネージャーの的場 謙一郎氏は、モバイル ソリューション バンドルを端的に「社内のITをモバイルに持ち出すソリューション」だと表現した上で、BYODのユーザー側のモチベーションである「自分で選んだ使いやすいデバイスで仕事がしたい」という使いやすさへの期待と企業側が求めるセキュリティやコンプライアンスのバランスの重要性を強調し、ユーザーのモチベーションを低下させない形でモバイルワークスタイルを実現することが求められると指摘した。

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