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最新セキュリティ製品で標的型攻撃を防げ! 第15回

トレンドマイクロ、2013年事業戦略を発表

標的型攻撃対策ではプロの常駐支援もあり?

2013年03月28日 06時00分更新

文● 谷崎朋子

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3月27日、トレンドマイクロは2013年における事業戦略「スマートプロテクション戦略」を発表した。標的型攻撃、エンドユーザー保護、クラウドと仮想化環境の3分野に焦点を当てて、各製品のセキュリティ機能および連携強化、新製品の投入などを進める。

データ保護の観点から3分野に注力して対策を展開

 トレンドマイクロ 代表取締役社長 兼 CEO エバ・チェン氏は、2013年の事業戦略「スマートプロテクション戦略」を、3つの“C”にフォーカスして展開するとした。3つとは、「Cyber Attacks」(サイバー攻撃)、「Consumerization」(コンシューマライゼーション)、そして「Cloud and Virtualization」(クラウドと仮想化)だ。

トレンドマイクロ 代表取締役社長兼CEO エバ・チェン氏

 チェン氏は、以前の企業IT環境では、管理された会社支給デバイスを従業員が使用し、物理サーバー上のデータにアクセスしながら、内と外との境界が明確に分離されたネットワーク環境で業務を行っていたと述べ、「シグネチャベースのウイルス対策や境界セキュリティ対策で足りた」と振り返った。

 しかし、今や従業員は私物デバイスを持ち込み、クラウドサービスを勝手に業務で利用している。サーバーも仮想化とクラウド化が進み、対象企業に向けて入念にカスタマイズされた標的型攻撃が増加している。「境界やデバイスを守る旧来の対策は、もう通用しない。これからは、守るべきデータを中心に対策を考えるべきだ。トレンドマイクロは、データ保護の観点から3つのCに絞ってスマートプロテクション戦略を展開する」(チェン氏)。

 国内での今後の展開予定は、以下のスライドのとおり。

2013年における国内エンタープライズビジネス展開予定

 サイバー攻撃分野では、標的型攻撃対策に向けた強化が行なわれる。1つは、これまでインシデントレスポンス活動で蓄積してきたC&Cサーバー情報の共有だ。レピュテーションや相関分析などで最新の脅威を防御するクラウド型アーキテクチャ「Trend Micro Smart Protection Network」(SPN)では、WebレピュテーションやE-mailレピュテーションにてC&Cサーバーのカテゴリを新たに設置、情報の共有と連携を強化する(5月より順次開始)。

 さらに、標的型対策製品「Trend Micro Deep Discovery」で検知したC&Cサーバー情報を導入企業内でデータベース化し、各セキュリティ製品と情報共有する仕組みも提供予定だ(第3四半期)。

企業の状況に合わせたサービスも展開

 このほか、被害拡大の予兆を察知し警告する地域特化型セキュリティラボ「Regional TrendLab」、未来の脅威を予測する研究機関「Forward Looking Threat Research」と製品との連携を強化しながら、今年1月に設立した「サイバー攻撃レスポンスチーム」による支援サービスも拡充する。

 サイバー攻撃レスポンスチームは、企業の状況に合わせたサポートを展開する有償サービスだ。場合によってはオンサイトでの常駐サポートも可能としたトレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏は、「当面はサイバー攻撃レスポンスチームの10数名とRegional TrendLabのメンバーで対応するが、パートナー企業でDeep Discoveryの認定資格者が増えていることから、将来的には1000人規模の支援体制が組める」と明かした。

トレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏

 コンシューマライゼーション分野では第3四半期以降、データの保護および共有のための新製品を投入。また、クラウド型セキュリティサービス「Trend Micro Security as a Service」のラインアップ拡充や、SPNのモバイルアプリ自動評価技術「Mobile App Reputation」との連携やMDM機能の強化を実施する。

 最後のクラウドと仮想化分野では、物理・仮想・クラウド上のサーバーセキュリティ製品「Trend Micro Deep Security」とクラウド環境の統合管理製品「VMware vCloud Director」との連携を強化。さらに、クラウドデータ暗号化製品「Trend Micro SecureCloud」とAmazon Web Serviceの暗号面での機能強化などを、5月から第3四半期以降に渡って展開する。

 「トレンドマイクロ スマートプロテクション戦略の強みは、弊社のインテリジェンスをフル活用しながら、3つの視点に基づいて、変化する脅威に合わせた機能拡張を随時提供できること。このアドバンテージを活かして、今後も最新のセキュリティソリューションを提供していきたい」(大三川氏)。

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