Facebook Japanは、今年2月に移転した新オフィスをメディア向けに公開。また、2010年に日本オフィスを開設して以降の経緯について紹介した。
最初は4名で1LDKのマンションからスタート
日本ではまずケータイ対応から
今回登壇したFacebookの児玉太郎氏によると、2010年2月に原宿のマンションで日本オフィスを開設した時点では、児玉氏1名に本国から派遣されたエンジニアが3名の計4名だったとのこと。
当時の日本ではFacebookユーザーは少なく、どうやってFacebookの魅力や実名制のメリットを伝えていくか試行錯誤していたが、始めてすぐわかったのが、そもそも認知度も足らないが、なによりケータイに対応していなかった点が大きかったとする。
といっても、本国のスタッフに日本の“ガラケー”文化は理解してもらえず、派遣されたエンジニアにとっても同様。そこで最初は家電店に行って、買えるだけのケータイを購入するとともに、書店で購入したケータイ向けHTMLの技術書を児玉氏が翻訳して、エンジニアに伝えたという秘話が紹介された。
その後、日本でもユーザーが順調に増え、2011年10月に開発者向けイベント「f8 Tokyo 2011」、2012年3月にはクライアントや代理店向けのイベント「fMC Tokyo 2012」を開催するなど、単にユーザー数が増えただけでなく、国内でのビジネスも強化している。
つづいて登壇した香川晴代氏は、マーケティングの立場から、現在Facebookが力を入れているソリューションについて紹介した。
今年特に注力しているのが、FacebookユーザーがFacebook内で最も時間を費やしているというニュースフィードにおけるユーザーとクライアントのリレーションだ。
最近大きく成功した事例として、「モバイルターゲットブロック」を利用したキリンビールのキャンペーンが紹介された。これはモバイルアプリでアクセスしたユーザーのニュースフィードに表示されるもので、一生分のビールを1名にプレゼントするというインパクトも加わって、キャンペーンページへの誘導数は約30万クリック、公式ページの新規ファン数は約3万7000人に達したという。
Facebookらしさと日本風をミックスしたオフィス
さて、Facebook Japanのオフィスだが、広々とした室内に台所や無料のドリンクなどが用意されているとともに、スタッフ同士の会話や打ち合わせをするためのスペースが各所にある。これは人と人とのつながりを重視するFacebookの考えに基づいているという。また、Facebook本社同様にポップなアートやデザインをいくつも見ることができる。
なお、オフィスにはまだ空き机が目立ったが、Facebook公式サイトのキャリアページでは、日本オフィスで働くスタッフの求人も行なわれている。ちなみに13の空きポジションがあるようなので、このオフィスで働いてみたいと考えていて、自信ありの人はチャレンジしてみるといいだろう。