メールアドレスゲット/陰謀開始
「あはははは、女子高生のメアド、ゲットだぜ!」
「ふっ、我々のこの神に愛されし美貌さえあればたやすいことだ。ああ、完璧なる我が肉体が憎い……」
「リーダー、JKアルファからメールが届きました」
「よし、読み上げてみよ」
「はっ。『今日は楽しかったですヾ(≧∀≦*)ノ彡 また遊びましょうね(* ^-^)ノ』とのことです」
「よし、順調だな。こう返すのだジルベール」
「いいね、次は一緒にカラオケとか行こうよ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )」
「JKチャーリーからもメールが来たわ!」
「続いてブラボーからもです」
そのまま彼らはしばしメールの返信を続けた。
ただし応対に追われているのは三人で、リーダーは何もせずふんぞり返っている。
「──リーダー、JKアルファから三度目の返信が届きました」
「ふむ、頃合いだな」
リーダーはがたんと円卓から立ち上がり、おもむろに宣言した。
「これより作戦は第二段階に移行する。……ジルベールよ、JKアルファへのメールにはこう返すのだ――」
ジルベール 「ところで、俺とあいつらでゲームやってるんだけど、一緒にやらない? 協力プレイしようよ(*^ー゚)b」
JK 『そのゲームってお金かかるんだよね(´・ω・`) すごいやりたいんだけど(TдT)今月お金ないのm(T-T)m』
ジルベール 「大丈夫(*^ー゚)b このサイトから落とせば無料だから→http://*********/」
JK 『サイト見たよ(*^o^*) でも、なんか中国語?とかたくさんあって読めない(TдT)』
ジルベール 「中国語とかロシア語とかが読めなくても、アプリの名前は英語で書いてあるよ」
JK 『あ、あった("▽"*) もしかしてこのサイト、無料のアプリがたくさんある!Σ( ̄□ ̄;)』
ジルベール 「そう、全部無料! 俺たちだけが知ってる秘密のサイトだから、他の奴らには誰にも言っちゃ駄目だよ(*^ー゚)b」
JK 『でもお金払わなくてもいいってヤバくない?』
ジルベール 「大丈夫、スマホのアプリっていうのはパスを抜けば使い放題なんだって!! タダで遊べるほうが全然いいじゃん!!!」
JK 『アプリ入れたよ("▽"*) ID教えて( щ゚Д゚)щカモォォォン』
ジルベール 「OK、俺たちのIDは……」
「……アルファ、ブラボー、チャーリー、すべて返信終わりましたよ」
「うむ、ご苦労。──ふははは、引っかかったな女子高生ども。これで貴様たちはもはや我が餌食よ!」
<第2話へ続く>
この連載の記事
-
第29回
デジタル
2013年セキュリティ事件を振り返る:日本を狙ったマルウェアで被害が続発 -
第28回
デジタル
7億円盗んだ「日本のオンラインバンキング専用」ウイルス -
第27回
デジタル
第6話:情報漏洩アプリを作ってもお咎めなし!? -
第26回
デジタル
アナタも国家組織に狙われている!具体的にはトイレで! -
第25回
デジタル
第5話:スマホの中身を合法(?)的にゲットせよ!? -
第24回
デジタル
「黒子は俺の嫁」から超堅牢パスワードを作ってみた -
第23回
デジタル
オンラインゲーマーよ!6文字パスワードは17秒で破られる -
第22回
デジタル
第4話:ボットネットは変態ゾンビの夢を見るか? -
第21回
デジタル
第3話:JKのスマホがゾンビ化で世界がヤバイ -
第20回
デジタル
魔法少女(物理)見参!第2話「その名はマカルージュ」 - この連載の一覧へ