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まかふぃーぶはじめました 第19回

<第1話>電脳系物理排除型魔法少女「マカルージュ!」

魔法少女も始めました!第1話「セキュリティ突破会議」

2013年04月16日 11時00分更新

文● 藤春都 イラスト●もち夫

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JKからメールアドレスを聞き出すでござるの巻

「では、これより作戦を開始する。喫茶店のあちらの席に、白薔薇学院の女子高生が見えるだろう。あれをこれよりJKアルファ、JKブラボー、JKチャーリーと命名する」

「はっ」

「我々の任務はターゲットに接触し、そのメールアドレスを聞き出すことである──では、征くぞ!」

 そして任務開始から十数分後、彼らは喫茶店で女子高生と相席することに成功した。

「えー、お兄さん二十歳なんですかー?」

「すっごい格好良いし落ち着いてるから、もっと上だと思ってましたぁ」

「ささ、このケーキを召し上がれ、お嬢さんがた」

「そんな、いいんですか?」

「いいとも。ケーキだって美しいレディに食べてもらったほうが幸せというものだよ」

「やだーお兄さん、レディだなんてー」

「……ノリノリだね、リーダー」

「うむ。リーダーの人心掌握術はいつ見ても感涙ものである」

 それを横目に見ながら、他の面子がこそこそと話している。

「ところでお兄さんたち、名前はなんて言うんですか?」

「これは失礼、まだ自己紹介もしていなかったね。僕はイチトだよ」

「イチトさんですかぁ。格好いい人は名前だって格好良いんですねぇ」

「お褒めいただいて光栄だよ、美しいお嬢さん」

 イチトは歯の浮くような台詞を並べながらも満足げだった。

「じゃあじゃあ、そこの僕、お名前はなんていうのー?」

『ショタ発言禁止。ショタ発言は禁止です。大事なことなので二回言いました』

『“フランス人だから格好良い”って、理由になってねーだろ常識的に考えて』

『おれは黙っていたら、いつのまにか照れてることになっていた。な、何を言ってるのかわからねーと思うが(以下略)』

「僕は蓮(レン)。それから僕を子供みたいに言うなっ」

「やーん、怒っちゃってかわいー」

「あたしもこんな弟が欲しかったわ!」

 ぶんぶんと両手を振って抗議するショタキャラこと蓮に、女子高生は感激していた。

「私はジルベールだ。フランスから来た。よろしく頼む」

「きゃー、フランス人! すごーい、だから格好良いんですねー!」

「金髪さらっさら、うわぁ目も青いんですねぇ。王子様みたいですぅ」

 ジルベールはにこりともしなかったが、そのクールさがたまらないと大好評だった。

「…………」

「ところでそこのお兄さん、さっきからまったく喋らないですね」

「うむ、彼は昔からこの眼帯がコンプレックスで、今ではすっかり無口になってしまったんだ。でも君たちの美しさに照れてしまっているだけだから安心してくれたまえ」

「……! ……!」

「きゃー、俯いちゃった。かわいーい」

「ちなみに彼の名は如月だ。彼も仲良くしてやってくれたまえ」

 眼帯をした無口な男、如月はいつの間にか設定を作られていた。

「イチトさん、じゃあじゃあ……」

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