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バックアップ分野でのシェア拡大にインパクト系の施策

1TBのクラウドストレージが無料!バラクーダの新戦略は強力

2013年03月15日 15時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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3月15日、バラクーダネットワークスジャパン(以下、バラクーダ)は国内での戦略について説明する発表会を開催。日本独自の「バラクーダ・フリークラウドサービス」を4月1日に開始し、アプライアンスのユーザーには最大1TBまで無料で提供すると発表した。

日本市場開拓へ向けた新戦略の目玉

 バラクーダ・フリークラウドサービスは、同社の「Barracuda Backupアプライアンス」に加え、クラウドに二重にデータをバックアップすることで、災害対策や事業継続を可能にする日本独自のサービス。容量1~82TBまでのBarracuda Backupアプライアンス6モデル(500GBのModel 190をのぞく)のいずれかを購入すれば、1TB分のクラウドストレージが無料で提供される。保存容量が1TBを超える既存のBarracuda Backupアプライアンスのユーザーも、同様に1TBまでを無料で利用できる。サービスは国内のデータセンターで行なわれ、グローバルとは別に運用されるという。

 3ヶ月前に日本法人の新社長に就任したという林田直樹氏は、「設立以来10年、すべての四半期で黒字を計上している。これはミッドマーケットにフォーカスしている、他社への乗り換えが少ない、安定したサービス収入が得られるという3つの理由があるからだ」と述べ、業績面での好調ぶりをアピール。EMCから来た新CEOのウィリアム・ジェンキンズ氏のもと、従来からのセキュリティ対策に加え、バックアップ関連のビジネスに注力していくのが大きな方向だと述べた。

バラクーダネットワークスジャパン 執行役員社長 林田直樹氏

 林田氏は、プロダクト面について「世間的にはスパムメール対策のベンダーとして認知されているが、ファイアウォールやバックアップなどさまざまなアプライアンスを展開している」と説明。また、15万社の顧客からの情報を元にした精度の高いセキュリティ分析を提供していること、サポートをアウトソーシングせず、高い満足度を経ていること、などバラクーダの強みを挙げた。

セキュリティとストレージのアプライアンスをミッドマーケットに

 続いて、日本での戦略について説明した林田氏は、2年で3倍の売り上げを目指すと抱負として述べた。そのためには、単に代理店を増やすのではなく、代理店との関係をより強化していくことの重要だと指摘。外資系企業で経験を積んでいる林田氏は、「多くの会社では本社から1次代理店を増やしてくれと言われるが、正直これは間違っている。既存の代理店とのパートナーシップを強化し、コンフリクトしないチャネル体制を作っていくのが重要だ」と述べた。

 また、サポートに関しては「日本法人も(製品を販社に直接流す)マーケティングカンパニーではなく、製品を弊社がいったん輸入し、着荷試験を行なった上、販売するバイ&セルの会社に変えた」と述べ、ハードウェアの不良を減らしたという。今後は、SEやテクニカルサポートの陣容を強化し、ラボ設備も強化するという。

 今回発表されたバラクーダ・フリークラウドサービスは、こうした日本戦略のまさに目玉になる。林田氏はコンシューマー系のサービスでも、無料で1TBを提供しているベンダーはなく、「ストレージ業界ではまさに台風の目になる」とアピール。今までもクラウドへのバックアップ機能は用意されていたが、「米国にデータセンターがある限り利用は難しいという声もあったという。今回、国内のデータセンターを用意したのは、こうした理由もある」(林田氏)とのことで、積極的な導入が期待できるという。

最新版ではLiveBootやCopy.comとの連携も

 発表会の後半では、SEマネージャの鈴木啓之氏によって、最新版のBarracuda Backupの機能について紹介された。

バラクーダネットワークスジャパンのSEマネージャ 鈴木啓之氏

 最新版Barracuda Backup 5.1では、変更ブロック単位で仮想マシンをバックアップする機能を追加。さらに、Barracuda BackupアプライアンスにバックアップされたVMFSを用いてESX Server上の仮想マシンを瞬時にリカバリする「LiveBoot」が搭載されたという。

 また、同社が買収したcopy.comのファイル共有サービスと連携し、各種ファイルをクラウド上で格納することができる。ファイルサーバーを迅速にバックアップできない場合、copy.comのストレージ上にデータをリストアすることも可能になるという。

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