再生はダウンロードムーブ後のほうが快適!
バージョン3.4.1にアップデートされたTwonky Beamは、基本機能は従来どおり。ホーム画面に「マイメディア」へのショートカットが追加され、nasneなどレコーダーに保存されているコンテンツにアクセスしやすくなった。しかし、早送り/巻き戻しに対応しないため頭出しはプログレスバーを操作しなければならないなど、UI面での不満はあまり解消されていない。それを補って余りある機能が、今回追加された「ダウンロードムーブ」だともいえる。
Twonky Beamのダウンロードムーブ機能はシンプルだが、効果的だ。たとえば、ユーザーに録画モードを意識させない。試しにDRモードで録画した45分番組(約5.7GB)をiPhone 5にムーブし、ファイルサイズをチェックしてみたところ、792MBにまで縮小されていた。
これは、Twonky Beamがnasne側に適切な解像度/ビットレートにトランスコードを指示していることを意味する。ムーブの指示から完了まで2〜3分を要したが、その時間内にトランスコードとiPhone 5へのWi-Fi(IEEE 802.11n)経由でのダビングの両方を処理しているのだから、十分実用的といっていいはず。
iPadユーザーなら、「RECOPLA」との併用も便利
nasneまたはソニー製レコーダーのユーザであれば、むしろTwonky BeamにUIを期待しなくてもいい。ソニーが提供する、Twonky Beamと連携して録画済み番組の視聴をアシストするiOSアプリ「RECOPLA」があるからだ。しかもTwonky Beam最新版にタイミングをあわせアップデートを実施、ライブ放送の視聴など新機能がフィーチャーされている。ダウンロードムーブの指示はできないが、Twonky BeamにはないEPGベースの番組情報を表示する機能が用意されているため、普段はこのアプリを利用したほうが使いやすい。
肝心のダウンロードムーブした番組のクオリティだが、フォーマットが720pのMPEG-4 AVC/H.264ということもあり、iPhone/iPadで視聴するにはまったく支障ない。むしろ、ストリーミング視聴時に時折発生する「つっかえ」がなくなるため、ストレスが大幅に軽減される。完了まで数分待たされるが、ダウンロードムーブした後に再生したほうが断然快適だ。もちろん通信環境が必要ないため、機内モード時でも再生できる。これで、iPhone/iPadを利用したテレビ視聴環境は一歩前進だ。
Twonky Beam: 動画/音楽/写真の再生/転送アプリ | |||
---|---|---|---|
価格 | 無料(アプリ内課金) | 作者 | PacketVideo |
バージョン | 3.4.1 | ファイル容量 | 17.2 MB |
対応デバイス | 全機種 | 対応OS | iOS 5.0以降 |
RECOPLA | |||
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 作者 | ソニー |
バージョン | 1.2.0 | ファイル容量 | 2.0 MB |
対応デバイス | iPad | 対応OS | iOS 5.1以降 |
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