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2012年CPUクーラー最強王座決定戦 第3回

野心作が多数! 2012年CPUクーラー王座決定戦【第3回】

2013年03月06日 16時00分更新

文● 加藤 勝明

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Thremalright「True Spirit 120M」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:132(W)×82(D)×145(H)/約565g
●ファン回転数:700~1500rpm(PWM制御)
●風量:24.8~53.3CFM
●ノイズ:17~28.5dBA
●実売価格:3800円前後
●製品情報URL:http://www.thermalright.com/html/products/cpu_cooler/true_spirit_120m.html

両端をちょっと上下にヒネったヒートシンクが特徴の「True Spirit 120M」。テスト用マザーでは土台用プレートがギリギリ装着可能だった

 ここからはTheralright社のCPUクーラーを3連続で紹介しよう。このメーカーのクーラーはThermaktakeと同様にマザーに土台を組み、そこにヒートシンク部を固定することで組み立てる。そのためパーツ点数は多くなるが、一度組んでしまえばマザー裏にアクセスする必要がないため着脱が容易というメリットがある。

 CPUソケットに四角い枠を設けるのがThemalrightの特徴だが、VRM部のヒートシンクが大きいと干渉しやすい。今回のテストで唯一、物理的に取り付けが不能な製品(Archon SB-E X2)が出たのもこのメーカーだ。

 最初に紹介するのは「True Spirit 120M」。最大の特徴は高さ145mmと小柄で、周辺パーツとの干渉を最小限に抑えていること。とくにヒートシンクの中心とCPUと接触するプレートとの中心が少々オフセットされており、引っ込んだ側にファンを装着するとメモリースロットと干渉する心配がなくなる。最近のPCケースの場合高さは心配ない(タワー型なら幅180~190mmが一般的)が、コンパクトな分取り付けも楽なのだ。

 全体が小ぶりなだけあって冷却力はそれなり。ファン口径小さめ&回転数抑えめゆえにVRM温度はエントリー20製品中では高めの結果となった。それでもFX-8350の4.6GHz動作でも負荷テストをパスしただけあって冷却力が低いとはいえない。あまりオーバークロックには興味はないが、静かで扱いやすいCPUクーラーがほしい人にオススメだ。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  34.0 ℃ 28.3 ℃ 27.9 ℃ 33.6 ℃ 40.5 dBA 757 rpm
純正より -9.0 ℃ -7.9 ℃ -6.7 ℃ ±0.0 ℃ -1.0 dBA -1679 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  63.0 ℃ 28.5 ℃ 33.2 ℃ 42.4 ℃ 36.7 dBA 923 rpm
純正より -9.0 ℃ -12.2 ℃ -11.0 ℃ -5.1 ℃ -15.8 dBA -4477 rpm

10分間の温度推移

大型だが扱いやすさに光るモノあり
Thermalright「Macho Rev.A(BW)」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1
●寸法/重量:140(W)×128.5(D)×162(H)/約770g
●ファン回転数:900~1300rpm(PWM制御)
●風量:28.3~73.6CFM
●ノイズ:17~21dBA
●実売価格:6000円前後
●製品情報URL:http://www.thermalright.com/html/products/cpu_cooler/macho_reva_bw.html

キューブ状と言ってよい程のゴツいヒートシンクを抱える「Macho Rev.A(BW)」。取り付け時に必須のドライバーは同梱されているので安心

 「Macho Rev.A(BW)」はヒートシンクの大きさを単純に大きくすることで冷却力を高めた、実にストレートなコンセプトの製品だ。高性能空冷クーラーは、同社製の「Silver Arrow SB-E」のようにヒートシンク部分を2分割して表面積を増やし、さらに各々にファンを組み合せるというのが現在時点での設計的な最適解のようだが、ファンを増やすと静音性は損なわれる。だが本製品はヒートシンク自体の大きさをシンプルに巨大化させつつ、1ファン仕様にすることで静音性も確保した製品だ。

 大きい分だけメモリースロットへの干渉は避けられないが、非常に扱いやすいのが「Macho Rev.A(BW)」の優れた点だ。「True Spirit 120M」と同じく、マザーに土台部分を組み上げてからヒートシンクを載せる構成だ。

 ヒートシンクの固定は実質2本のネジだけで行なうが、簡単な割に締め込みもしやすい。作業時はヒートシンクの上部に開いた穴からドライバーを挿し込んで作業する必要があるが、ちゃんとその作業に使えるかなりマトモなドライバーが付属するので心配は無用だ。

 本製品は静音性を重視した製品のため、高負荷時のCPU温度は61℃とまずまずの結果に。だがファンの回転数が高負荷時でも700rpm程度、アイドル時にはさらに下がるため、大きさの割にはかなり静かな印象がある。使う時はマザーのBIOS設定を変更し、回転数の下限を無視、あるいは500回転以下に設定しないとPOSTの度にエラーが出まくるので注意しておこう。

 第2回で紹介した「Frio Extreme」のような強烈なものを見てしまうと見劣りはするが、大ぶりな空冷クーラーの中ではひときわ扱いやすい印象を受けた。地味な見た目は気にしないが、しっかり仕事をするクーラーが欲しい人にはオススメだ。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  31.0 ℃ 28.3 ℃ 33.4 ℃ 33.9 ℃ 35.8 dBA 523 rpm
純正より -12.0 ℃ -7.9 ℃ -1.2 ℃ +0.3 ℃ -5.7 dBA -1913 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  61.0 ℃ 30.1 ℃ 38.4 ℃ 34.4 ℃ 35.4 dBA 773 rpm
純正より -11.0 ℃ -10.6 ℃ -5.8 ℃ -13.1 ℃ -17.1 dBA -4627 rpm

10分間の温度推移

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