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2012年CPUクーラー最強王座決定戦 第1回

野心作が多数! 2012年CPUクーラー王座決定戦【第1回】

2013年03月03日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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プラス300MHZの4.3GHzで無念のダウン
「リテールクーラー」

8cmファンを載せたトップフロー型のクーラー。ファン回転数は高負荷時5400rpmまで到達するが、その時独特の「キーン」という音が非常に耳に障る

 最初にFX-8350付属のリテールクーラーの性能をチェックしてみよう。銅製のプレートにヒートパイプを組み合せ、小型の割に冷えそうな印象があるが、ヒートシンク容積の小ささがネックのようだ。4.6GHzどころか4.4GHzでもOCCT中に過熱でシャットダウン。仕方なく4.3GHz、+0.05V設定に落としたところでようやくOCCT10分の負荷をクリアした。
 今回のテスト環境では、CPU温度が72℃を上回ろうとすると高負荷が維持できなくなった。72℃をどれだけ下回れるかが今回の対決の見どころになるだろう。

Cooler Masterの刻印が確認できる

 ただ、リテールクーラーはオーバークロックした状態での仕様を考慮していないので、この結果は当然といえば当然。これだけの小ささでしっかり冷却できているところは評価したい。これは銅製ヒートシンクを採用していることも関係しているだろう。定格クロックでの使用であれば、リテールクーラーでなんの問題もない。ちなみに、リテールクーラーにはCooler Masterの刻印があったことも記しておきたい。

アイドル時
CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
43℃ 36.2 ℃ 34.6 ℃ 33.6 ℃ 41.5 dBA 2436 rpm
高負荷時
CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
72.0 ℃ 40.7 ℃ 44.2 ℃ 47.5 ℃ 52.5 dBA 5400 rpm

10分間の温度推移

怒濤のクーラーマスター5連発!

 今回検証した24製品の中で、5製品もエントリーしたのがクーラーマスターの製品。まずはこれを一気に紹介することにしよう。同社製品はファンとヒートシンクの固定方法に工夫があり、複雑な構造の割に部品数を少なくしていることが最大の特徴。メーカーによってはワッシャーやスペーサーを幾重にもかまして固定するものがあるが、クーラーマスターは固定金具側にある程度パーツを組み込んでしまい、作業中に脱落したり緩んだりする危険性を排除している。細かい作業が面倒な人にはオススメのメーカーだ。

薄型だけにパーツを選ばない
Cooler Master「Hyper 212 EVO」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:120(W)×80(D)×159(H)/約580g
●ファン回転数:600~2000rpm±10%(PWM制御)
●風量:24.9~82.9CFM±10%
●ノイズ:9~36dBA
●実売価格:3500円前後
●製品情報URL:http://www.coolermaster.co.jp/product.php?product_id=6752

薄型のヒートシンクとスナップ式のファン取り付け機構が特徴的な「Hyper 212 EVO」

 サイドフロー式のデメリットの1つにメモリースロットとの干渉があるが、本製品はファンを装着しても80mmと薄い。今回テストしたマザーでは、装着した状態でも4本すべてのスロットにアクセスすることができた。その分ヒートシンクの容積的に不利になっているが、CPUとヒートパイプを直接接触させることで熱伝導率を上げ、冷却効率を稼ぐ設計だ。

 この製品の長所はファンの着脱が極めて容易な点だ。プラスチック製のツメをファンに固定し、ワンタッチでヒートシンクに合体できる。一般的なワイヤーを使った固定よりも素早く確実な位置に固定できる。その一方でマニュアルの図示が細かく、初めて組む場合はX字金具の正しい向きをパッと把握するのが難しいのが短所だ。

 高負荷時の温度は63℃。決して冷えない訳ではないが、今回エントリーした製品の中では冷却力的には凡庸な部類に入る。ファンノイズは高負荷時でもさほど目立たないため、冷却よりも静音性やメンテナンス性に重きを置いた製品といってよい。リテールクーラーでは嫌だが、他のパーツとの干渉などをあまり考えずに使えるクーラーが欲しいなら良い製品といえる。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  33.0 ℃ 32.8 ℃ 33.4 ℃ 32.8 ℃ 46.1 dBA 744 rpm
純正より -10.0 ℃ -3.4 ℃ -1.2 ℃ -0.8 ℃ +4.6 dBA -1692 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  63.0 ℃ 32.3 ℃ 39.4 ℃ 50.5 ℃ 36.6 dBA 1147 rpm
純正より -9.0 ℃ -8.4 ℃ -4.8 ℃ +3.0 ℃ -15.9 dBA -4253 rpm

10分間の温度推移

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