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スマホ対応の裏にある、ANAと三菱東京UFJの深謀遠慮

2013年03月04日 07時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/アスキークラウド編集部

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全日本空輸(ANA)は「スマホファースト」のウェブ戦略を進め、三菱東京UFJはリテール部門の営業2000人に「GALAXY Tab」を配布した。これは単にパソコンの置き換えではない。小さなデバイスの向こうでは、大きなシステムが動きはじめている。

 「LINEでANAを『お友だち』に登録しているのは110万人。広告費用に対する売上効率は(3ヵ月間の試算で)Yahoo!JAPANのPC版トップページ広告より若干悪いかな、というくらいです」

 クラウドコンピューティング展「Cloud Days Tokyo 2013」基調講演で、ANAプロモーション室の前田欣伸氏はそう話した。スマホでもバナー広告やリスティング広告も出してきたが、分かりやすい「勝ちパターン」が見えなかった。そのなか、LINEはめざましい効果を上げた。

 LINEで重要なのはプッシュ通知ができること。メールはすぐに「配信を希望」のチェックを外されてしまうが、LINEではまだ通知が有効。より顧客に近いマーケティングができる。


価格で勝てない格安航空会社にスマホで挑むANA

 スマホによるダイレクトマーケティングは、ANAのウェブ戦略で中核を担う。

 航空券の販売もスマホが中心になる。ANAのネット決済は現在30%以上がモバイルから。パソコン向けサイトへのアクセスも15%以上はパソコン以外だ。今後パソコン向けサイトは廃止され、タブレットサイトに切り替えられる予定。

 スマホには広告や決済だけではなく、格安航空会社に対抗するねらいもある。

 低価格に勝てるのは、個人単位の細やかなサービスだ。空港でも到着地でも、スマホなら話しかけるように案内できる。今夏からは機内のWi-Fiサービスも開始し、空の上でも顧客にアクセスできるようにしていく。

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