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BOOK☆WALKER 感謝祭

明坂聡美さん、あざの耕平さんなど参加、ここだけで話せるBOOK☆WALKERの裏話

2013年02月26日 10時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 2010年12月3日にオープンした電子書籍ストア“BOOK☆WALKER”(関連記事)。そのヘビーユーザーを招待し、スタッフと生の声を交換できるイベント「BOOK☆WALKER 感謝祭」が2月16日に開催された。サービス開始から2年が経過した同サービス。「せっかくなら普段できないことを」ということで企画された、ユーザー参加型のリアルイベントだ。

 イベントは2部構成。第1部はニコニコ生放送で配信されていた、トーク番組「××(ちょめちょめ) BOOK☆WALKER」の限定復活版「××(ちょめちょめ) BOOK☆WALKER Z 一日だけの大復活祭の巻」を角川本社ビルの試写室で公開生放送。第2部は立食パーティー形式の交流会だった。

東京レイヴンズ作者のあざの耕平さんが出演

 公開生放送では、司会に声優の明坂聡美さん、ゲストに作家のあざの耕平さんを招き、ここでしか聞けない「××(ちょめちょめ)な話」を展開。番組ではおなじみの酒盛りを続けながら、ほろ酔いトークが進んだ。

公開生放送終了後の記念撮影

 まずは現在アニメ化企画が進行中の『東京レイヴンズ』(富士見ファンタジア文庫)やあざの耕平さんの創作裏話などが話題に。東京レイヴンズは、陰陽師が活躍するファンタジー小説。ハリーポッターのような魔法の学園モノがはやっていた時期に、魔法で和モノの切り口で創作したら面白いと思ったことがきっかけだそうだ。

 タイトルのレイヴンズは、陰陽師の黒い和服を大鴉(Raven)に見立てたもの。当初はそのものズバりの東京陰陽師というタイトルだったが、「和の雰囲気に傾倒しすぎない、スタイリッシュな方向を」ということで、このタイトルを選択した。同じカラスでもやや小ぶりなクロウズ(Crows)にするという案もあったという。

 時間がないときには、ロケの代わりにGoogleのストリートビューを活用。広いバトルができる場所を探して、回りの風景を確認して書く……といった話も出た。アニメの脚本は8割方できている状況だそうだ。

個性的……過ぎるキャンペーンも

 続いてダ・ヴィンチ電子ナビの宮脇大樹さんが加わり、BOOK☆WALKERの2年間を振り返るコーナーに。12月3日にiOS版のアプリをリリースする際には、当日の朝までアップルの審査が降りずヒヤヒヤする思いをしたり、サービス名の案の中に“ブックウォーク”や“コンダナ”(コンテンツの本棚の略)、“まるっと”などもあったという裏話が出た。

 BOOK☆WALKERは、当初50冊と限定された作品数でスタート。2011年6月にAndroid版を配信するタイミングで1000冊単位に配信点数が増えた。2011年後半にはニコニコ静画がスタートし、角川グループ以外の出版社作品も配信開始。新宿駅の地下に、リアルの支店として大きな本棚のポスターを貼り出し、背表紙にQRコードを付けて立ち読みができるようにもした(関連記事)。

 2012年前半には50万ダウンロードを突破。4月以降はキャッシュバック企画がスタート。また“スレイヤーズ祭り”と銘打って、全24巻を1巻ずつ1時間限定で100円で販売、24時間起きて買い続ければ2400円で揃うというキャンペーンも実施した。

 ちなみにスレイヤーズ祭りでは、販売開始の告知を「○○巻発売、眠い」といった形で、リアルタイムにツィートしていた。「スタッフも大変、皆さんも大変。苦行のようなキャンペーンだった」と振り返るBOOK☆WALKERのくりぽん氏に、司会の明坂さんが「もっと賢い戦略はなかったんですか!!」とツッコむ一幕も。「完走した人はいますか?」という質問には、会場内でも結構な数の手が上がった。

 BOOK☆WALKERでは、その後もさまざまなキャンペーン企画を実施。そのひとつが夏と暮れに実施された“サバイバルキャンペーン”で、一定数以上を購入した人にはキャッシュバック、さらに1週間の購入冊数を競い、上位者にはギフトカードがプレゼントされるというもの。

 夏の「頂点は誰だ!? 夏のサバイバルキャンペーン」では、「1位:322冊/43歳男性」「2位:276冊/34歳男性」「3位:269冊/29歳男性」「4位:266冊/34歳男性」「5位:253冊/45歳男性」という結果だったが、暮れに実施した「頂点は誰だ!? 冬のサバイバルキャンペーン」ではさらに増えて「1位:680冊/34歳男性」「2位:571冊/44歳男性」「3位:365冊/48歳男性」「4位:361冊/27歳男性」「5位:236冊/48歳男性」という驚くべき結果になったという。

 また2012年~2013年の年越しには、「108の煩悩キャンペーン」として、12月31日の23時45分から富士見書房の108作品を100円の限定特価で販売するキャンペーンも実施した。ただし通常とは異なり、まとめ買いができない仕様で、ユーザーは30分という限られた時間内で、108冊を1冊、1冊カートに入れて購入しなければならなかった。

 これにはあざのさんも「108の煩悩を祓うというよりは、108の煩悩を買っているような感じですよね」と唖然。明坂さんも「BOOK☆WALKERはユーザーをどうしたいんですか?」と叫んだ。

変化も課題もある電子書籍市場

 一方2013年の電子書籍市場に関しては、宮脇さんが「去年は各社が紙の本の電子化を積極的に進めた。新刊と同時に紙と電子書籍が出るよねとか、価格も弾力化してきて、紙よりも少し安い値段で電子書籍が買えるよといった流れが出てくると思う」とコメント。電子書籍ならではのギミックやSNSとの連動といった要素が普及を促していくのではないかとした。

 BOOK☆WALKERでも「ライトノベル・コミックを中心にほかにはないサービスを広げていくほか、他の電子書店と組むかたちで、市場全体が盛り上がることもやっていきたい」とする。

 しかし、これに対してあざのさんは「正直、作家が置いてけぼりという感想もある」と苦言。電子書籍全般に言えることだが、業界を盛り上げるといっても冷めてしまう部分もあるので、「こちら側にもアピールして欲しい」などと語った。

第2部では活発な議論、Kindle Fireで動くBOOK☆WALKER?

 第2部では BOOK☆WALKERにちなんだクイズ大会を実施。感謝状も贈呈された。電子書籍体験コーナーも用意され、iPadやNexus 7、PC用ビューワのβ版とともに、本来なら使えないはずのKindle Fire HDやソニーReader PRS-T1上で動作するBOOK☆WALKERアプリも展示され、関心を引いていた。

第2部は、立食パーティーの形式で、自由な意見が交換された

ホワイトボードに書かれたユーザーの意見や感想

本を持参すると電子書籍をプレゼントしてもらえるサービスもイベントの特別企画として実施

さまざまな端末で動作するBOOK☆WALKER

 会場にはホワイトボードが設置され、BOOK☆WALKERに感じている不満点や改善要望などをやり取りする場面もあった。ユーザーとスタッフの間の盛んな議論の結果は、きっと今後のサービス改善に反映されていくことだろう。

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