マイクロソフトでは、毎年1月初旬から2月中旬にかけて、「ミッドイヤーレビュー」というミーティングが行なわれる。
米マイクロソフト本社の経営トップに対して、米国を含む全世界の事業責任者が事業の進捗状況を報告。日本マイクロソフトからも、樋口泰行社長以下、ほとんどの幹部社員が渡米し、ケビン・ターナー(B. Kevin Turner)COOに対して報告を行なうというものだ。
ミッドイヤーという名称は、7月から事業年度がスタートしている同社にとって、この時期が期の半ばにあたることから付けられたものだ。
折り返し点となるこの時期に、各事業の中間業績を詳細に評価するとともに、6月の期末に向けて軌道修正を行なうという狙いがある。
ケビン・ターナーCOOは、この期間中、63回に渡る会議を全世界の様々な事業責任者と行なう。さらに最後には、ターナーCOOが、全世界の主要な事業責任者を従えて、スティーブ・バルマーCEOに対して全事業の状況を報告することになる。
1月から順次行なわれるミッドイヤーレビューは、バルマーCEOへの報告をもって、2月中旬には終了するというスケジュールだ。
今年は、2月7日に新Officeが発売されるというイベントがあったが、この時期にマイクロソフトからの大型発表が少なくなる理由は、このミッドイヤーレビューの存在が影響していると推察される。
1年間で最も重要なマイルストーン
実は、ミッドイヤーレビューは、マイクロソフト幹部社員にとって、ビジネスをドライブする上で1年で最重視される社内会議ともいわれている。
現役の日本マイクロソフト幹部からは、「12月から気分的に落ち着かなくなる。社内会議なのに、プレッシャーがかかり始め、正月もゆっくりできない」「冬が嫌いになった」というような冗談混じりの声が聞かれるほか、マイクロソフトOBからも、「マイクロソフトはミッドイヤーレビューがなければいい会社」と、これも笑い話に取れるような声が聞かれている。
ミッドイヤーレビューは、幹部社員にとってそれほど重要な内容となっている。社内会議ではあるが、その国や地域の事業を戦略的に推進していく上で、この会議で議論することは、1年間で最も重要なマイルストーンとなる。
かつては、朝から始まった会議が深夜にまで及んだり、あえてネットワークが接続できない環境が会場に選ばれたために、大量の資料を会場に持ち込んだりといったこともあったという。そして、的確な回答ができない場合には厳しい意見が飛ぶ。
「業績が悪い場合には、その原因や改善策が徹底的に議論されるのは当然だが、業績が良くても、改善ポイントを見つけて議論が長時間に渡るのが通例だった」という。
もちろん、すべてのやりとりは英語で行なわれる。
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