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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第114回

iPolysix開発者インタビュー後編

iPolysixは単なるアプリではなく新世代のシンセである

2013年02月23日 12時00分更新

文● 四本淑三

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作曲の苦痛をデバイスやアルゴリズムで埋めていけたら

―― 少し前までは楽器アプリというと、制限の多さが敷居の低さにつながっていたと思うんですが、iPadの環境は何でもできる代わりに、素人には少々手強い。すると新しいユーザーの入り口として、iPadの位置はどうなるのかなと思うんですが。

福田 VirtualMIDIやAudioBusのようなものは、iPadユーザーでもピラミッドの上の方にいる詳しい人達が使っているので、基本的には変わらないと思います。PCの側はまず大きな箱がドーンとあって、そこから良くも悪くもいろんな選択肢がありすぎて、先が見えづらい。iPadは、こうしなさいという物が用意されているやりやすさがあると思います。

井上 僕の体験上の話をすれば、曲を作るのは苦痛を伴うんです。でもその先に、かっこいい曲が待っているかもしれない。その間をデバイスやアルゴリズムで迂回したり、縮めたりしていけたらと常々思っています。さらにカジュアル路線を詰めれば、日々Twitterでやっているように、しょうもないことを言ったり、しょうもない写真を撮ったりという方向に寄せた仕組みがあってもいいと思う。一方で楽器アプリはその苦痛に対して何らの支援をせずツールとして自律して、サウンドのクオリティのみにコミットメントしてもいい。今は良くも悪くも、その中間の物が多い状況だと思っています。完全なプロユースでもないし、完全なライト層向けでもない。だからどっちの方にも食いついてもらえている状況かなと。でもiPadが高性能になってきているからこそ、それを住み分けしていく時期が来ているかもしれないな、とも思っています。

―― じゃあ最後に。今まで過去の資産をアプリでリバイバルさせるという流れで来て、iPolysixまで来るとそろそろネタ切れかと思うわけですが、今後はアプリ独自の楽器というものはあり得ますか?

取材中、何度も3人で悩む姿が見られた

中島 ありえると思います。

福田 もう全然ありえますね。そこは期待していただいて構いません。と言っても、僕らの考えはいつも流動的で変わるんですけど。

井上 iOSがいいですか?

―― いや、もう面白ければなんでも。

中島 じゃあ頑張ります!

―― よろしくお願いします!



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。


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