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富士見iPhoneクラブ 第107回

日本にも来るといいな! そんなアメリカのiPhone事情

2013年02月10日 12時00分更新

文● iPhoneクラブ製作委員会

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電子書籍の普及はさすがアメリカ

じまP 日本では、電子書籍が「来るぞ来るぞ」と言われながら、なかなか来なかった印象があって。Kindleの発売もあったりして、最近やっと認知されてきたぐらいじゃないかと思うんです。アメリカではどのように受容されているんでしょうか。

マッチャン Kindleについては、街の風景といってもいいぐらい普及しています。ランドリー待ちとか、電車の中とかでみんな読んでます。若い人だけではなく、年配で見ている人も多いですし。でもiPad miniが出たら、「Kindleじゃなくてもいいな」って思った人が増えたようですね。

マッチャンさん提供の写真。ランドリーの待ち時間にKindleで本を読んでいる人が

カリー そうなんですか? アメリカ人って、デカくてゴツいものを好みそうなものなのに。

マッチャン 面白いのは、子供のほうが大きいiPadを好むんですよ。だからもう、コンピューターがいらないのかなあって。Retinaディスプレイって、iMacより解像度が高いじゃないですか。しかもLTEは家の回線より速かったりする。iPhoto、iMovie、GarageBandもある、他にもアプリがいっぱいある。そうなると、iMacより全然いいんじゃないか。

ニッシー 最初にコンピューターに触れる体験が、iMacじゃなくてiPadという子供が増えてきていると。

マッチャン そうそう。9.7インチのiPadが、ちょっと前のiMacと同じポジションになって、コンピューターの標準体験がiPadになる。そして、タブレットの標準体験がサイズダウンして、7インチのiPad miniになる、みたいな。そういうダウンサイジングになっている気がします。

じまP でも、車で通勤するような層は、タブレットをあまり触らないのでは?

マッチャン ニューヨークやサンフランシスコの都市部だと鉄道通勤も多いですよ。MacBook Airも増えています。それこそ、スタバで広げている風景も目立っています。スタバに限らず、アメリカは、だいたいどこのカフェでもWi-Fiが無料で入っていますからね。

カリー おお! 日本ではもう逆にやりにくい感じがある「スタバでAir」が、アメリカのトレンドになっているんだ。

じまP 時代が一周した感じがありますね。

アメリカの本はコレクション用
電子書籍と紙の書籍の共存は可能

ニッシー 電子書籍は何が売れているんでしょう。みんな売れ筋の本を読んでいるんですか?

マッチャン アメリカって、新刊も古本も、両方本屋に並んでいるんです。それに本自体が高いのです。だから、いろんな本をKindleで買おうとなりやすい。スティーブ・ジョブズの本がわかりやすくて、すごく大きいんです。読むには不便なんじゃないかってぐらい。それはつまりコレクション用なんですよ。文章を読みたければ、iBooksでもKindleでもいいわけで。

じまP 日本でいう、「保存用」と「観賞用」を分けて買うみたいなことですか。

マッチャン そうですね。この前、アメリカの電子書籍事情の記事がASCII.jpに掲載されてましたよね(ASCII.jp:あれから2年――アメリカ電子書籍最前線)。紙の価格を電子書籍の価格が破壊しなかったっていうのが、ここ数年の動きだと思います。

カリー 日本だと新書のスタイルが変わってきそうです。新書のフォーマットにするために、書きたいことを水増しして、何とか180ページにしているって本がたくさんありました。でも今後は書きたいことだけ書いて、250円で電子書籍で発売っていうことができると面白そうです。

マッチャン あとは対談集とかも、サイズを紙の要請に合わせて区切らないといけないのが、そういうのも考えなくて良くなったり。これからそういう電子書籍が増えてくるかも。

カリー iPhoneクラブも切り売りしよう。書籍のためにまとめるんじゃなくて、対談ごとに出せばいい。

じまP ASCII.jpでタダで公開しているんですから、別に電子書籍にする必要はないのでは……。

カリー 「続きは電子書籍で!」ってやれば、売れるんじゃないかな。

ニッシー 正直売れそうにないコンテンツの作り方そのものだね。

カリー ちょっと! いくらなんでも厳しすぎるでしょ……。

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