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米Google、エンハンストキャンペーンを発表 - AdWordsをアップグレード

2013年02月07日 08時53分更新

記事提供:SEMリサーチ

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米Googleは2013年2月6日、同社の広告プラットフォーム・AdWords のアップグレードを公式ブログで発表した。「Enhanced campaigns」(エンハンストキャンペーン)と呼ばれる新しい広告プラットフォームは今後数週間内に広告主にオプションとして提供され、2013年中頃を目処に既存のすべての広告がエンハンストキャンペーンに切り替えられる予定。

Google エンハンストキャンペーンは、マルチデバイス時代に対応した新しい広告システム。今日のユーザーは、1日のうちにパソコンやスマートフォン、タブレットなど様々なスクリーンサイズのデバイスに触れており、様々な時間に、異なる場所で検索を行っている。従来、広告主がこれらのユーザーにリーチするためには、デバイスごとにキャンペーンを複数作成したり、デバイスごとの検索行動傾向にあわせた入札や広告クリエイティブの作成、Click-to-Call の設定など、きわめて複雑な広告管理を行う必要があった。

Google エンハンストキャンペーンを利用することで、1つのキャンペーンで各種プラットフォームのターゲット設定や入札管理、広告内容を管理することが可能となる。同社によると、エンハンストキャンペーンは (1) マルチデバイス世界に対応した強力なマーケティングツール、(2) ユーザーの利用環境に応じた最適な広告の配信、(3) コンバージョン種類別の分析、といった点を新キャンペーンの利点として紹介している。

1点目は、たとえば、朝食を提供するカフェが近辺で「コーヒー」や「朝食」とスマートフォンで検索するユーザーにリーチしたい場合に、エンハンストキャンペーンの入札単価調整を設定することにより、店舗0.5マイル内で検索するユーザーには入札単価を25%アップ、午前11時以降は入札単価を20%ダウン、スマートフォン検索には50%アップ、といった具合に、価値の高い検索に指定した値ぶんだけ入札価格を調整することで目的のユーザーに広告を届けることが可能になる。

2点目については、同じキーワードながらパソコンからの検索とスマートフォンからの検索では検索意図(インテント)が異なる場合があり、本来は検索場所にあわせた広告内容を表示することが望ましい。エンハンストキャンペーンではデバイス、検索場所、時間の軸を組み合わせて1つのキャンペーンで最適な広告配信が可能になる。たとえば、実店舗とeコマースサイトの双方を持つ小売店がユーザーにリーチしたい時、スマートフォンで検索するユーザーには Click-to-call や location extensions を使った広告を表示する一方、PCで検索しているユーザーにはeコマースサイトへ誘導する広告を表示することが、1つのキャンペーン設定で可能になる。

3点目は、コンバージョンを「通話」「ダウンロード」「クロスデバイスでのコンバージョン」といった、新しいコンバージョンタイプを追跡することが可能になる。これまでは、複数のデバイスをまたがるユーザーのトラッキングは困難だったが、あらゆるデバイスの違いを意識せずに運用されるエンハンストキャンペーンではこれらの計測や比較を容易に行うことができる。

Enhancing AdWords for a constantly connected world
http://adwords.blogspot.jp/2013/02/introducing-enhanced-campaigns.html

Google AdWords Enhanced Campaigns
http://www.google.com/adwords/enhancedcampaigns/

エンハンスト キャンペーンについて
http://support.google.com/adwords/answer/2909484

Enhanced Campaigns Resources
http://www.google.com/adwords/enhancedcampaigns/resources/


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Googleは「PCプラットフォームと比較してモバイルのCPCが低い」というCPCの改善が課題の1つでしたが、エンハンストキャンペーンなら全体的なCPCは上昇するはず。あと、クロスデバイス間でコンバージョントラッキングできるのは大きい。

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