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マカフィーが2013年サイバー脅威予測年次レポートを公開

2013年はモバイルマルウェアが流行! アノニマスは衰退?

2013年02月06日 22時30分更新

文● 八木澤健人/ASCII.jp編集部

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 マカフィーは2月6日、2013年のサイバー脅威の予測年次レポートを公開した。

 同レポートによると、まず2013年はモバイルデバイスをターゲットにした攻撃が一層集中するという。デバイス内のアクセス権限を乗っ取り、システムを使用不能にしたあと、その復旧の見返りに金銭を要求する「ランサムウェア」がモバイルデバイスにも進出。2013年の顕著な脅威になるとのこと。たとえ犯人の要求通りに金銭を支払ったとしても、システムが復旧する確証はないため、同社では注意を呼びかけている。

ランサムウェアの被害は確実に増加している

 新型のモバイルワームの活動も激化するおそれがある。例えば、ユーザーの許可なしにアプリを自動購入させる「Android/Marketpay.A」というトロイの木馬を利用してマルウェアをインストールさせる攻撃を、モバイルマルウェアの機能に取り込む可能性があるという。

 また、NFC機能を利用したデジタルウォレットを搭載するモバイルデバイスを狙う手口も顕著だと同社は指摘している。NFC機能でモバイルワームを行き当たりばったりに感染させ、金銭を盗む。空港やショッピングモールなどの人が密集する場所でよく使われる手口だという。

アノニマスの活動は鈍化、政府が関与する攻撃は増加傾向

 仮面を被り、多くの企業や政府機関へのDDoS攻撃や不正アクセスで一躍話題になったクラッカー集団「アノニマス」の活動は、2013年は鈍化すると同レポートは分析している。

アノニマスのメンバーはガイ・フォークスの仮面を被り、素顔を隠している

 あいまいな作戦と不当な要求を繰り返していることから、彼らの技術的な洗練度は伸び悩んでいるとのこと。攻撃がなくなることはないが、アノニマスのようなクラッカー集団からの攻撃は減少し、攻撃の洗練度が高まることはないという。しかし軍や国が主導してサイバー攻撃に関与する事例は増えつつあり、同時にターゲットとなる頻度も増えていると同社は指摘している。2013年は国家をターゲットにした攻撃が増える一方、政府が支援したのではないかと疑われる攻撃も増えるとのこと。

クラッカー支援オンラインツールが流行、大規模攻撃にも注意

 SaaSやIaaSといったサービスが巷では流行しているが、サイバー犯罪者の間では攻撃代行サービス「CaaS(Crimeware as a Service)」や、クラッキングツールを提供する「HaaS(Hacking as a Service)」が流行し、サイバー攻撃のビジネス化が進行している。こういったサービスの利用により、さらに容易かつ高度な攻撃が可能となるため、注意が必要だ。さらに招待制の犯罪者フォーラムなどのオファーも増加する見通しだと、同レポートは指摘している。

 破壊力の高いマルウェアを大量にインストールさせ、大規模な損害を発生させる攻撃も2013年に急増する見込みだという。対策として、通常のネットワークと、隔離されている生産用ネットワークを別に用意するなど、水際で攻撃を阻止する対策が必要だと同社では警戒を呼びかけている。

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