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小型PCフォームファクターNUC活用術 第3回

NUCを利用した次世代モバイルソリューションを勝手に提唱

2013年01月30日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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いろんな意味で注目を集めてしまう
D.E.S.U.N.O環境の持ち運びを見る

――実際に持ち運んで作業したんですか?

【林】 まず最初にノマドがやたらといるらしい、秋葉原の某大手コーヒーチェーン店でやってみました。俺たちのルノアールじゃないほうの、おしゃれなほうのですよ。

――いきなり本拠地攻めてますね……反応はどうでした?

【林】 大勝利でしたね、別の意味で。君たちはまだ林檎印のノートなのかい? と伝わっていればいいんですが、カフェのテーブルだとやや手狭でしたね。D.E.S.U.N.Oの場合は、広めのテーブルを選んだほうがいいですが、コアとなるパーツが分散しているので、積み木みたいに積んでスペースに合わせて調整できるんですよ。

撮影したカメラマンも「なにこれw」といっていたD.E.S.U.N.O。インパクトはやたらとある

――ノマドな人たちになにこいつと思われたのは確定事項として、ディスプレーを立てたり、NUCとバッテリーを台座にして寝かせるとか面白いですね。設置場所も自作感覚ですね。

【林】 モバイルバッテリーの700-BTL011はマウスパッドにもなりますよ。意外と小回りが効くんです。あと、電車の中でも試しました。電車はイエデンワVAIO Tap 20でも感じたんですが、難易度が高い。ミニマムなお子様がいると高い確率で「ママー! あの人、なにやってるのー!」「し~っ、見ちゃいけません」という状態ですよ。作業はちょっと厳しかったんですが、メールチェックとかなら可能でした。タッチパネルが欲しくなりましたけどね。膝上環境への対策が今後の課題でしょう。

On-Lap 1302はノートとセットで運用するサブディスプレーなので、単体の場合背もたれがないと横画面で自立しない(付属のスタンドで自立するのだが、持ち運ぶのが面倒なので)。だがしかし、写真のようにNUCを背もたれにすれば問題なし

NUCを横に立てて背もたれにし、キーボードを滑り止めにすれば、ノートPCな感じの角度にもできる

――トートバックの中に入ってる様子を見るに、すごくコンパクトですよね。ケーブルも最小にしてしまえば設置も楽だし。

【林】 キーボードとマウスをワイヤレスにするだけでだいぶ違いますね。On-Lap 1302、700-BTL011は薄いんで、カバンにも押し込みやすい。注意点としてはOn-Lap 1302が薄すぎるから保護用のクッションが必須なところですかね。ノートPC用のカバンだったら問題ないと思います。重量としてはトータルで約1.5kgなので、ノートPCの運搬と変わらないですよ。

D.E.S.U.N.O環境構築までの流れは、意外にもシンプルで、まず運搬用のバックからNUCなど一式を取り出す

NUCとOn-Lap 1302を接続。USBとHDMI端子が一体になった専用ケーブルを使用する

次に電源となる700-BTL011を接続。NUC側のACアダプター端子は、外径5.5mm内径2.5mm。700-BTL011付属の変換プラグで対応可能だ

今回は秋月電子で購入した外径5.5mm内径2.1mmを外径5.5mm内径2.5mmに変換するプラグ(60円)を使用していた。理由は700-BTL011に標準添付のプラグを無くしたからとのこと

On-Lap 1302と700-BTL011を接続したら電源オン! 普通に起動してしまったため、初見では驚く以前に、軽く引いた。もっと苦労すると思ったのに……

――業務への実戦投入も済んでいるんですか?

【林】 INFOBARの発表会取材のときに、D.E.S.U.N.Oで作業しました。ノートPCと比べると設置の手間は多いんですが、作業自体はノートPCより快適でしたよ。同席していた編集スオエカ氏は「いや、それはちょっとwww」といった感じでしたが、マシンパワーでいくとノートPCと大差ないし、メモリー16GBと豊富なので画像処理も楽。下手なノートPCより断然快適だったんです。問題は膝上環境に弱いことですかね、安定しないんですよ。

INFOBAR発表会での使用風景。このときは左右のスペースがなかったため、On-Lap 1302を縦向きにして使用したとのこと。編集部としては、他の同業諸氏がどういう目で見ていたが気になるところだ。隣席していた編集スエオカは「なにも聞いてなかったんで、いきなりデスクトップ出してきたからどん引きですよ」とのコメントを残している

――気になるバッテリー駆動時間なんですが……

【林】 電源オプションを省電力設定にして、3時間30分くらいでしょうか。700-BTL011側の6段階のLEDサインでバッテリー残量がわかるので、1~20%の状態になったら要注意なくらいです。OS側からはただの電源供給して認識されるから、明確なバッテリー残量が分からないんですよ。バッテリー駆動時間を延ばす手段としては、On-Lap 1302の電源を他のモバイルバッテリーから確保、無線もオフにすれば4時間以上は動作するんじゃないでしょうか。であれば、D.E.S.U.N.O環境を設置するようなシーンはまず乗り切れるハズ。夏場とか太陽が元気なときは、サンコーレアモノショップの「ノートPC用19V出力大容量バッテリー」だと、アウトドアがより安心かもしれませんよ。

――意外と動きますね。バランスや高パフォーマンスは厳しそうですが。

【林】 高パフォーマンスにしたら、たぶん2時間と少しくらいじゃないですかね。省電力設定で別段問題なかったので、高パフォーマンスは電源を確保できるときにという感じで。で、どうですか、D.E.S.U.N.O!!

「ほらほら、縦画面だと作業しやすいんですよ~」と作業をしてみせる林氏。仕組みがわかっていても変な絵である

――う、うん。なかなか面白いんじゃあないかな? 性能はしっかりしているし、実際に使用できているし。ところで、これはOn-Lap 1302と一体化させてもよかったんじゃ?

【林】 それじゃーただのタブレット風じゃないですか。“デスクトップ機を持ち歩いているんだぞ!”と強く知らしめることが大切なんですよ。秋葉原のショップでNUCモバイルしようぜフェアとかしてほしい勢いですね。楽しいですから、ほんとに。

モバイルとはいえ、あえてNUC本体を見せつけることも重要らしい

――では、最後に一言どうぞ。

【林】 USB駆動のディスプレー「On-Lap 1302」、モバイルバッテリー「700-BTL011」が必要と、ちょっと投資が必要なんだけど、本来据え置きであるイメージの強いNUCをなんとかして持ち運ぶ心意気がD.E.S.U.N.Oの根幹といってもいいので、みんな、NUCをモバイル! これなんか出来ないかな~という自作PC魂を呼び起こしてね。ちょっと自作から離れていた人がやると、すごく楽しいことを思い出せるハズだ!

筆者紹介――林 佑樹

 フリーランスの編集・ライター、どきどきフォトグラファー。自分のインタビュー記事を自分で整える作業とは……。某パーツショップMさん、お疲れ様でした!!

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