回復画面で「詳しい修復オプションを表示する」を選択すると、回復用のメニューが表示される。ここでは3つの選択肢が提示され、起動を継続(Windows 8の起動を再度試行する)、電源をオフにするという処理に加えて、「トラブルシューティング」メニューの表示がある。PCによっては、ここでリカバリーDVDなどの利用メニューが追加されることがあるようだ。
ちなみにトラブルシューティングメニューは、Windows 8の設定チャームから呼び出す「PC設定」にある、「全般」→「PCの起動をカスタマイズする」を使って表示される「オプションの選択」にあるものと同一だ。正確に言うなら、Windows 8の「PCの起動をカスタマイズする」とは、Windows REを起動させる項目なのだ。
トラブルシューティングで最初に提示されるのは、「PCのリフレッシュ」「PCを初期状態に戻す」「詳細オプション」の3つ。最初の2つは、これも設定チャームの「PC設定」→「全般」にある「PCをリフレッシュする」「すべてを削除してWindowsを再インストールする」と同じものだ。どちらもストレージ上のファイルへの影響があるものなので、選ぶのはある程度トラブルの内容が判明してからの方がいい。
なお、どちらも実行するには、Windows 8のインストールイメージが必要になる。PCメーカー製のWindows 8プリインストールPCでは、別パーティションなどに必要なファイルが保存されているが、ユーザー自身がインストールしたWindows 8ではこうしたファイルが保存されていないため、Windows 8のインストールメディアが要求される。
「詳細オプション」には、5つの選択肢がある。「システムの復元」は、Windowsが持つ「復元ポイント」を使う方法だ。これはWindows 8内にある機能と同じだ。Windows REは、機能が限定されているとはいえWindowsであるので、Windows 8が起動している場合と同じような処理が可能だ。これは主に、ドライバーやアプリケーションのインストールによって問題が発生した場合に利用する。
「イメージでシステムを回復」は、本体内ストレージに保存されたシステムのイメージ(PCのリフレッシュなどで使うシステムイメージ)を利用する方法だ。「PCのリフレッシュ」では、登録されたイメージファイルだけが利用されるが、Windows 8で登録できるイメージファイルはひとつだけなので、最後に登録したイメージだけが有効になる。
ちなみに、イメージを作成する「reimg.exe」コマンドは、この登録作業を自動的に行なう。イメージファイル自体はただのファイルなので、複数作ることが可能だ。「イメージでシステムを回復」は、登録されていないイメージファイルを使ってシステムを回復させるための機能というわけだ。
「自動修復」は、Windows 7では「スタートアップ修復」と呼ばれていたものだ。これはWindowsのシステムファイルを復旧するもので、主にシステムファイルが破損した場合などに利用する。自動修復といっても、あらかじめ想定された障害にしか対応していないため、必ずしも有効でないことがある。また実際にはファイルの破損ではなく、HDDのセクターが破損するような重大なエラーなどの場合、リトライを繰り返して長時間終了しない可能性がある。
HDDのセクターエラーなどの場合、HDD内で自動的にアクセスを繰り返すことがあり、どうしてもエラーに対応できない場合のみ、コンピューター側にエラーを報告する。そのため、1セクターにたいして数回のリトライが発生し、結果的には読み書きがうまくいったとしても、同じことをセクター単位で繰り返すため、ファイルの読み書きに時間がかかる可能性がある。HDDから繰り返し音がするとか、HDDにアクセスしたまま一時間以上終了しないようなら、こうした状態に陥っている可能性が高い(あくまでも可能性の問題)。
このような場合には、しばらく待っても終わらないようなら、強制終了して別の方法を考えたほうがいいだろう。また、こうした結果になった場合、自動修復を繰り返し行なっても、効果は薄いと考えられるからだ。
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