暗い場所ではさすがにiPhone 5は不利か!?
次いで検証したのは暗所撮影。いよいよiPhoneにとっては苦しくなる(であろう)撮影条件のよくない場所だ。
ソニーやJVCケンウッドは、いずれも撮像素子の開口部が広い裏面照射型デバイスを使用。キヤノンは最上位モデルで動画撮影に特化した237万画素の撮像素子を使うことで、画素当たりの面積を拡大、感度アップを果たしている。
さらには、F1.2のレンズを採用するJVCケンウッドのGZ-VX895など、各社とも明るいレンズを搭載する傾向にある。夜の街や暗い室内など、低照度環境での撮影は最新のトレンド機能でもあるからだ。
そもそもレンズ自体のサイズもiPhone 5とは比較にならない大きさということもあり、iPhone 5ではなかなか難しいところ。とはいえ、夜の飲食店など暗い場所でも撮影に使われるiPhone 5。できるだけ健闘してほしいところだ。
iPhone 5も思いのほか健闘!
まず、暗室でロウソク1本に火を灯した環境で試してみたのだが、ノイズ感などの多少の差はあるもののiPhone 5を含めて十分なレベルでの撮影ができてしまったのだ。つまり、iPhone 5もなかなか低照度撮影に強い実力を持っていることがわかる。
誕生日にケーキのロウソクを吹き消す、といったシーンの撮影ならiPhone 5でもビデオカメラでも画質的には同等だろう。
そこで、最小の明るさに絞ったLEDデスクランプで赤/緑/青の3本のロウソクを照らすという、より暗い環境で撮影を行なった。
iPhone 5の撮影サンプル
これはかなり厳しい環境で、さすがにiPhone 5ではLEDランプの光が強く当たった足下の部分だけしか視認できない結果になってしまった。3本のロウソクの色はかろうじてわかるレベルで、明るさの不足する部分ではランダムノイズも少々出ている。
レンズの光学性能に優れるHDビデオカメラが大きくリード
キヤノン iViS HF G20の撮影サンプル
この低照度テストで最優秀の結果となったのは、キヤノンのiViS HF G20。3本のロウソクの色もしっかりと出ているし、もっとも明るく感じる。ノイズ感もかなり抑えられているため、あまり見づらさを感じない。
ソニーのHDR-PJ790Vもかなり優秀なのだが、ロウソクの色の鮮やかさがやや劣っていると感じた。
そのほかのモデルでは、色の再現性やノイズの出方がだんだんと増えていくことになる。比較的ノイズが少なく、見やすい映像だったのが、JVCケンウッドのGZ-VX895とGZ-E565。明るいレンズの採用が効果を発揮していると思われる。
ただし、GZ-E565はやや背景の黒が浮き気味になる。以下、キヤノン iVIS HF R42、ソニー HDR-CX430Vと続き、iPhone 5が一番厳しい結果となった。
これはさすがにある程度予想のできた結果ではあるが、HDビデオカメラ勢の底力がよくわかった。夜の室内でもロウソク1本分の明かりがあればiPhone 5でも十分で、それ以下(月明かりしかないなど)の明るさならビデオカメラの出番、ということだろう。
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