このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

ワールドカフェスタイルで組織や人材の限界を討論

自ら動く人たちが大集合!次世代イノベーター大会議

2013年01月23日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

1月21日、IT業界の有志が運営する次世代ICT会議は、「会社を変革する、社会を変革する、次世代イノベーター大会議」(以下、次世代イノベーター大会議)と題した大会議を開催した。情報システム部のユーザーが「ワールドカフェ」という独特の会議スタイルで、組織の枠を超えて語り合った。

ユーザー側はITのメリットを感じていない

 次世代ICT会議は調査会社ノークリサーチを中心に、10名以上の有志が業界の共通課題を解決すべく運営しているもの。ユーザー企業やIT企業の担当者が一堂に会した100名規模のイベントを定期的に行なっており、今回の次世代イノベーター会議は2012年9月のイベントに続いて4回目で、ユーザー企業の担当者を集めたイベントになる。なお、翌日の22日には、IT企業側の担当者を集めた「企業の変革をITで実現する大会議」が開催されている。

次世代ICTイノベーター大会議の模様

 こうしたイベントが開催された背景としては、ITを提供する側と利用する側で大きなギャップが存在していることが挙げられる。ZDNetとノークリサーチが行なったアンケートでは、ユーザー企業もIT企業もITに対して大きな期待を寄せているが、ユーザー企業ではITが役立っていないと感じていることが多いという。一方で、IT企業側ではユーザー企業へのIT導入が役立っていると考えることが多く、両者で深い溝が存在するとのことだ。

これまでの会議で抽出されたIT業界の特徴

 ユーザー側はIT企業側の営業に不満を持っており、手段だけではなく、目的まで提案してもらいたいと考えている。これはICTを所有しているだけで、うまく使えていないという悩みがあるからだという。

 IT企業側から見ると、ユーザー企業に主体性が欠けており、社内の風通しという面でも問題が多く、イノベーションを求めないという風潮もあるようだ。こうしたギャップを埋め、どのような関係が望ましいのか探るのが、本会議の目標。組織を超えた議論を深めることで、ITをうまく活用できていない現状を打破しようというわけだ。

情シスの地位や組織の限界が大きな焦点に

 次世代イノベーター会議の進行は「ワールドカフェ」のスタイルで進められる。ワールドカフェでは、まず4人でグループを構成し、1人をホスト、3人を旅人として設定。グループの「島」では特定のテーマについての議論を行ない、テーブルに置かれた模造紙に気づきやテーマ、課題などを書き込んでいく。そして、一定時間が終了した後、グループのホスト役以外の3人は旅人として、他の「島」に移って同じ議論を続け、4回続けた後に元に戻るという方式となる。

ワールドカフェのスタイルの討論

 今回は、「組織の様子はどのようになっている?」「組織の問題点は?」といった組織論がテーマ。10分ごとに島を変え、1つのテーマを4回ずつ討論するというスタイルで進められた。各所で話を聞いたところ、「情報システム部はPCの更新とセキュリティくらいしか役立たないと思われている」「しゃしゃり出ると、あつれきが生まれる」といった情報システムの地位や役割に関する悲観論や「世代間でコミュニケーションの仕方が異なり、中間層が苦労している」「新しいことをやろうとすると、経営企画からお金を生まないと言われる」といったより既存の組織の限界についての課題や現状を披露するところが多かったようだ。

(次ページ、組織の生活習慣を変えるためになにをすべきか?)


 

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ