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ワンピース1着でも商売できるECサイト (1/2)

2013年04月23日 11時00分更新

文●権 成俊/ゴンウェブコンサルティング、Web Professional編集部

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 ユーザーの消費行動からECサイトを4つに分類した「4モデル式」フレームワーク(関連記事)。今回はニーズ多品に分類される商品を扱っている「モール型」について解説します。

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消費行動から分類したECサイト4モデル、白地部分がモール型

ニーズをウォンツに引き上げる

 モール型商品購入者の特徴は、欲しい商品を明確に定義しにくく、同じ商品のリピート購入が少ないことです。代表的な商品はファッションやフードです。ただし、定期的に購入する化粧品や水、米などカテゴリーキラー型の商品を販売しているサイトのマーケティング手法は、具体的な商品に誘導するためにコストがかかる単品リピート型と同様になります。

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モール型商品購入者の購入意欲の成長

 モール型のマーケティングは、もっとも難易度の高いジャンルです。分かりやすい商品説明や初回購入特典などの高いコストをかけて獲得した初回購入者がリピート購入する場合でも、モール内の同様の商品を扱っている他店と比較されててしまうため、リピート購入者を獲得するためにはコストをかけた商品ページを作成しなければならないからです。しかし、優れたサイトに圧倒的にシェアをにぎられる可能性も低く、新規参入しやすいモデルともいえます。

 「気に入ったら買ってもいいな」というニーズ商品の購買意欲を「欲しい、買いたい」というウォンツレベルまで引き上げるには、「ほかの同じような商品と比較してどちらがよいか」という価値判断が必要になります。モール型のサイトは、サイト内で同一商品と比較できるように構築します。

 たとえば、夏物のワンピースを買いたい女性が、「ワンピース」というキーワードで検索した結果、1位に表示されたサイトの商品が非常に魅力的で、なおかつ価格も激安だったとしても、そのままその商品を購入するということはありません。同じサイト内で商品比較をしたり、他のサイトの商品と比較して、もっとも適切だと思う商品を購入します。このように、モール型商品購入者は、購入までに必ず他の商品との比較します

ニーズ商品はリッチなコンテンツが必要

 モール型ではサイトのコンテンツも簡単なスペックだけではなく、ユーザーに商品価値を伝えるリッチなコンテンツにしなくてはなりません。そのため、単にデータベースの商品情報をぺージに書き出せばよいのではないため、商品点数が増えるほど制作作業も増え、制作コストが大きな負担になってきます。

 モール型では売り上げを上げながら、売り上げに占めるページ制作費を管理し、もっとも利益率の高いページ数やカテゴリーのバランスを追求する必要があります。 また、検索からの誘導に弱いため、バナー広告を出稿したり、幅広いキーワードで検索連動型広告を出して集客をします。

 以下に、モール型についてまとめておきます。

要件概要
商品例家具・インテリア、ファッション、フード
アクセス対策プッシュ型アクセス対策
サイト対策説得型コンテンツ、品揃えの拡大、巡回性、非計画購買の誘発
KPIアクセス数、保有メールアドレス数、商品数、滞在時間、ページあたり生産性(=利益/ページ生産コスト)
特徴
  • 非計画購買が基本。アクセス対策やサイト巡回性を高めて、とにかく多くの人に多くのコンテンツを見せることが売り上げにつながる
  • アクセス対策はバナー広告やメール配信など、プッシュ型中心になる
  • 品揃えの多さとコンテンツの説得性の両立が必要なため、ページ制作コストとの勝負になりやすく、1ページあたりのコストと利益のシビアな管理が必要。この点を意識しないと売り上げは果てしなく上がるが、いつまでたっても利益が出ない
  • 売り上げを伸ばすのは簡単だが、利益を伸ばすのは難しいモデル

※KPI … 重要な業績評価指標

 モール型は、比較購入ができればできるほど、売り上げに結びつくため大規模になります。自社で扱っている商品が少ない場合は、比較購入が難しくなります。そのような場合は、ショッピングモールに出店することです。モールに出店すると、他のショップが同じような商品を販売しているので、最初から比較購入ができるからです。「ワンピース1点」でも、モールに出店すれば販売ができます。

 モールへの出店は、アクセス対策をモールに依存できるという面でもメリットもありますが、価格や納期の比較が簡単なため、"よいものを安く"という、売り手にとっては厳しい売り方が要求されます

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