お店を印象づける戦略
数ある競合店のなかから、自店を選んでもらうためには、そもそも、お店の存在を印象づけなくてはならない。この点でも、同店では細かな工夫をたくさんしている。その1つが、メールマガジンの発行だ。なんと、365日毎日発行しているのだ。購読も、解除も自由にできるようにしているが、会員15万人のうち、6万人ものお客さまが購読し続けている。
「『見ないと損だ』と思ってもらえるように、メールマガジン限定で人気商品を驚くほど安く提供する日を設けています。メールマガジンはもう廃れたと聞くことがありますが、うちに限ってそれはない。全体の売り上げの2割がメールマガジン経由ですから。売り上げに直結しています」
こう話す黒澤社長は「このお店だから買いたい」とお客さまに思ってもらうには、お店に対する安心感や信頼感も大切な要素だと認識している。
「お客さまからの信頼を得るには『注文があった商品は早めに届ける』など、ネットショップとして当然すべきことをきちんとやるのが大事です。例えば当社は、15時までに注文があった商品は、遅くとも翌日の午前中にはお届けできるように出荷しています。当社では当たり前のサービスですが、そうではないお店もまだまだだくさんある。そうしたちょっとした差が、信頼につながっていくと思います」
同店は、15万人いる会員と密なコミュニケーションを図ることで、ネットショップの商品開発、運営に活かしてきた。どのように取り組んでいるかは次回、お伝えしよう。(続)