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『転換期を迎える環境ビジネス 概説REDD+』刊行特別インタビュー 第3回

リモートセンシング技術のREDD+への活用を概観できるテキスト

2013年01月19日 11時00分更新

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 1月17日に発売した『転換期を迎える環境ビジネス 概説REDD+』(アスキー・メディアワークス)は、森林保全による温室効果ガス削減のためのメカニズムである「REDD+(レッドプラス)」について、基本的な考え方から事例、未来像までを総合的に俯瞰できる一冊だ。本書の構成・監修・執筆を担当した赤松幸生・同社リモートセンシングG長に同社のコアテクノロジーであり、REDD+の重要な要素であるリモートセンシング技術について話を伺った。 (取材・文=山口学)

国際航業株式会社 リモートセンシングG長 赤松幸生氏

プラットフォームとセンサで対象物のデータを得る

 本書の各章末コラムでは、REDD+に欠かせないものとして、リモートセンシングの技術や役割について解説しています。

 まずは、リモートセンシングというものがどのような技術なのかについて紹介します。リモートセンシングに必要なものは、プラットフォームとセンサです。プラットフォームとは、近年はITやコンピューターの用語として使われていますが、もともとは「機械」や「台座」といった意味があります。リモートセンシング分野では、センサを搭載するための人工衛星や航空機、車両などをプラットフォームと呼びます。

 リモートセンシングとは、プラットフォームにセンサを搭載し、離れたところから対象物を観測して、対象物の状態を分析することを指します。センサには、光を使って観測する「光学センサ」、電波を使って対象物を見る「マイクロ波センサ」、センサから光や電波を送って跳ね返ってきたものを観測する「レーダーセンサ」など、用途や状況によってさまざまなものがあります。

 リモートセンシングのメリットは、大きく二つあります。第一に、目に見えないものでも可視化することができる点。例えば地形を調べる際に、森林があると詳細な地形は隠れて見えませんが、最新のリモートセンシングを使えば、正確な地形データを得ることができます。

 リモートセンシングの第二のメリットとしては、極めて広い範囲のデータを極めて短時間に収集することができる点が挙げられます。特に人工衛星や航空機のようなプラットフォームを使った場合にはこのメリットが顕著です。実は地球温暖化の原因である南極のオゾンホールが把握できたのも、リモートセンシング技術があったからなのです。

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