1月17日に発売した『転換期を迎える環境ビジネス 概説REDD+』(アスキー・メディアワークス)は、森林保全や効率的な維持管理による温室効果ガス削減のためのメカニズムである「REDD+(レッドプラス)」について、基本的な考え方から事例、未来像までを総合的に俯瞰できる一冊だ。本書の企画・構成・監修・執筆を担当した丹本憲・同社企画部 海外事業部 兼務 グリーンエネルギー担当部長にREDD+を巡る現状と本書刊行の経緯などについて話を伺った。 (取材・文=山口学)
ポスト京都議定書の第一約束期間が終了
本書を企画・執筆した意義について述べる前に、まずは地球温暖化対策を巡る現状について簡単に紹介します。
2005年に発効した京都議定書は第一約束期間が2012年をもって終了し、2013年から第二約束期間がスタートしたことにつきましてはご存じの読者も多いことと思います。
第一約束期間終了後、つまり2013年以降の世界の温室効果ガス削減に対する取り組みは「ポスト京都議定書」と言われており(京都議定書が続行するため、やや違和感を覚えますが)、2013年という年は、地球温暖化対策の制度が新たなステージに入った年と言っていいでしょう。
そうした中、2012年11月~12月にカタールのドーハで開催された「国連気候変動枠組み条約第18回締約国会議」(COP18)では、ドーハ気候ゲートウェイが決定され、2020年からの、全てのUNFCCC締約国に適用される新たな枠組みに向けたプロセスの作業計画が採択されました。
また、日本が不参加を決めた第二約束期間を2013年から2020年までの8年間とすることなども決まりました。そして、第二約束期間に不参加の日本は「クリーン開発メカニズム」(CDM)を実施することは可能ですが、そこで創出されるクレジット(CER)につきましては、原始取得はできますが国際取引には制限が設けられることとなりました。
一方、REDD+につきましては、現時点で確固とした枠組みが決まっていないことを別としても、技術面、資金面について具体的な進展はみられず、次回ワルシャワで開催されるCOP19に持ち越されることとなりました。
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転換期を迎える環境ビジネス 概説REDD+国際航業株式会社(著)アスキー・メディアワークス
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