音楽ファンに全力で勧めたい
ハイレゾポータブル音楽プレイヤー
外出先で音楽を聴くデバイスといえば、いまやスマートフォンと答える人がほとんどだろう。ポータブルオーディオでも、1万円以上のヘッドフォンの割合が金額構成比で10%を超えるほど“サウンド”にこだわるユーザーは増加しているのだが、一方で高音質で視聴したいというユーザーであっても、音楽プレイヤーはスマートフォンという人が多いのが現実だ。
勿論、スマートフォンの中にもソニーモバイル「Xperia」のWALKMANアプリや、HTCが採用するBeats Audioなど、独自の高音質テクノロジーを搭載したモデルも存在する。しかし、スマートフォンはスマートフォンとしてほかの機能にもこだわって選びたい……という人にとって、スペックでは分かりづらい音質部分はスマートフォン選びの決め手になりづらいだろう。
とはいえ、音楽はやっぱり高音質で聴いたほうがキモチイイ。スマートフォンにこだわらず、音楽プレイヤーでハイクオリティーな音質で楽しみたいユーザーにオススメしたいのが、高音質志向(ハイレゾ)のポータブル音楽プレイヤーだ。ポータブル音楽プレイヤーは1万円以下からラインナップが存在するが、本記事では高音質に作り込んだハイエンドモデルを推す。
2012年は高音質モデルの当たり年で、2012年8月に登場したヒビノインターサウンドの超弩級のハイレゾ対応プレイヤー「iBasso Audio HDP-R10」、アイリバーが2012年10月に発売した「Astell&Kern AK100」と話題のハイレゾ音源モデルが次々に登場。ソニーの「WALKMAN F800」もハイレゾには非対応ながら可逆圧縮のFLACフォーマットにも対応するなど、高音質志向のプレイヤーが続々登場している。今回はこれら3機種に2012年9月に発売された定番の「iPod touch」第5世代モデルを加えて、音質を横並びでチェックした。
リファレンスのヘッドフォンには比較的フラットなヘッドフォンとしてShureの「SE215」と、重低音志向のヘッドフォンとしてソニーの「XBA-30」を用意した。
リファレンス曲は2012年夏に掲載した音質比較記事(関連記事)と同じく、iTunes Music Storeで購入者した著作権フリーのAACファイル(約270kbps)でアニメ・ゲームの3曲を用意した。「Chase the world」(May'n)は低音を効かせたダンス系ミュージック、「リアルワールド」(nano.EIPE)はロック調のボーカル曲、「無想曲」(アトラスサウンドチーム)はインストゥメンタル曲として、それぞれチョイス。
なお、ハイレゾ音源に対応した「iBasso Audio HDP-R10」と「Astell&Kern AK100」については「e-onkyo music」で購入したハイレゾ音源の数曲も参考用として視聴した。評価は★×10が満点の10段階評価だ。