Windows Phone 8は「好調」とBaller氏
アプリは倍ペースで増加
Lumia 920Tは中国で登場する初のWindows Phone 8スマートフォンとなる。Windows Phone 8が登場して1ヵ月強、MicrosoftのCEO、Steve Ballmer氏によると、これまでの経過は順調という。Ballmer氏は11月末の株主総会で「前年同期のWindows Phone 7と比べると4倍で売れている」というGartnerのデータを紹介した。第3四半期のWindows Phone全体の販売台数は、前年同期が170万台だったのに対し400万台に到達している。もっとも同期のAndroidは1億2248万台なのである。また、Symbianの440万台にも負けている状態だ。
とはいえ、アプリ側も進展しているようだ。MicrosoftはWindows Phone 8に合わせてWindows Phoneのアプリストア「Windows Phone Marketplace」をアップデートし、オススメやカスタマイズなどの機能を加えた。MicrosoftでWindows Phoneアプリチーム担当シニアディレクターを務めるTodd Brix氏は12月に入り、Windows Phone 8のローンチ以来、Windows Phoneのアプリダウンロードの数が2倍に増えたと明かした。アプリ開発者の売上げも倍増したとのことだ。
アプリ活性化はNokiaとMicrosoftが目指す「第3のエコシステム」にあたって必須だ。Nokiaはここでアプリ検索エンジンのXyoと提携し、「App #Switch」を開始した。AndroidとiOSのアプリの中からLumia対応アプリを検索できるサービスだ。Windows Phone Marketplaceのアプリ数は約11万5000あり、iOS/Androidの人気アプリ上位50のうち46のソフトがWindows Phone版もあるとのことだ。
なお、NokiaはChina Mobileとの提携と同じ日、250ドルを切るWindows Phone 8スマートフォン「Lumia 620」も発表。アジア地区で提供を開始するという。スマートフォン市場の拡大にあたり特定の市場やセグメントを狙う上で、スマートフォンの価格が重要になっている。Windows Phone 8登場から数週間でのエントリーモデル登場は多いに評価できる。
ついに本社ビル“Nokiaハウス”を手放す
そんな明るいニュースと同時期、Nokiaはフィンランド・ヘルシンキ郊外のエスポーにある本社ビルを売却することも発表した。前々からあったうわさだがついに現実となった。今後はいったん売却した本社ビルを賃貸して利用するという。コスト削減対策としては、1万人規模となった人員削減、Qtの売却などにつづくものとなる。
エスポーはヘルシンキから車で1時間もしないところにある。Nokiaの本社ビルは外はガラス張り、内側は自然光が差し木材を取り入れた北欧らしいインテリアが印象的なビルで、“Nokiaハウス”として親しまれてきた。 エスポーには現在Angry Birdsで知られているRovioも社屋を構えている。
コスト削減、Lumiaラインの拡充と同時に、地図サービス「Here」なども進めているNokiaだが、競争は激しい。Apple、Samsung、HTCなど既存の競合だけではない。盟友Microsoftすらもライバルになる可能性がある。Microsoftは自社ブランドのタブレット「Surface」を発表したが、来年には”Surfaceフォン”なるスマートフォンも展開すると予想されている。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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