前回はAMDのデスクトップ向けCPUロードマップについて解説した。ARMアーキテクチャーがデスクトップ市場に入る可能性は、短期的にはあまりない。先に導入されるのはサーバー市場向けとなりそうだ。今回はAMDのサーバー向けCPUについて説明したい。
予定どおりに推移した2012年のOpteron
サーバー向けについて説明するのは2012年3月の連載141回以来だ。上掲のスライドは141回で示したロードマップであるが、現状はおおむねこのロードマップが忠実に守られている。
ロードマップを振り返ると、2012~2013年には「Socket G34」向けに「Abu Dhabi」が投入される予定だったが、これは11月5日に「Opteron 6300」シリーズとして発表された。また「Socket C32」の「Seoul」と「Socket AM3+」の「Delhi」は、12月4日にそれぞれ「Opteron 4300」「Opteron 3300」シリーズとして発表された。ここまではオンスケジュールと言っていい。
問題はこの先である。下のスライドは、2012年6月に開かれた開発者向けイベント「AMD Fusion Developer Summit 2012」(AFDS)で公開されたサーバー向けのロードマップである。タイトルが「2012-2013 SERVER ROADMAP」となっていることからもわかるとおり、右側の「New Platform」が投入されるのは、2013年中ということになる。
New Platformの主なポイントは以下のようになる。
- 新プラットフォーム、つまりソケットを含む全体が刷新される。
- 新世代CPUはすべて28nmプロセスで製造される。
- 既存のSocket AM3+に加えて、2プロセッサーまでに対応するSocket C32の一部にもAPU製品が導入される。
これに加えて10月29日に発表されたのは、「2014年にARMテクノロジーベースのOpteronを製造する」という声明である。
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