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グーグル、日本語検索にナレッジグラフの導入を開始

2012年12月05日 11時31分更新

記事提供:SEMリサーチ

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グーグルは2012年12月4日(米国時間)、検索サービスにナレッジグラフ(Knowledge Graph)の導入を開始した。公式ブログによると、日本語のほか、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、ロシア語、そしてイタリア語も新たに対応している。

ナレッジグラフは2012年5月にグーグルが発表した新機能。ナレッジグラフとは、検索クエリを単なる文字列として捉えるのではなく、現実世界における物事(エンティティ、entities)やその関係を扱う、セマンティック技術を活用した技術。エンティティを理解することで、検索利用者のインテント(検索意図)に適した、関連性の高い検索結果を提示するようになる。

ナレッジグラフの国際展開にあわせて、ローカライズも行われている。たとえばフットボールのように同じ言葉ながら米国と欧州で意味が異なるようなケースも考慮している。グラフは現在、5億7千万のエンティティと、180億の事実と関係性をカバーしており、これはナレッジグラフの最初のリリース時よりも3倍多くのクエリに対応したとのこと。

ナレッジグラフはランドマーク、都市、チーム、建物、映画など多岐にわたる物事に対応している。たとえば、「白鵬」(現役力士)と検索すると、通常のウェブ自然検索結果に加えて、画面右側に白鵬についてのプロフィールや写真、生い立ち、業績などの関連性の高い情報を表示する。これは Google が過去の検索ヒストリーに基づき、世の中の人々が知りたい事柄について分析し、表示した方が検索の利便性が高まると判断して表示をしているという。また、Serendipity(セレンディピティ) 思わぬ発見をすることにも役立つ。

エンティティによっては、検索した物事と関係する情報も併せて表示する。たとえば「AKB48」「新垣結衣」「スカイツリー」などで検索した時は、他の人はこちらも検索 という項目が表示されて、類似・関係するエンティティを表示する。

美術館と検索した時には、ナレッジグラフの表示欄に”こちらを検索”とともに「国立新美術館」「東京美術館」「ブリヂストン美術館」「東京都現代美術館」などのリストが表示される。美術館は日本中にあるわけだが、ここにエンティティとしての美術館の候補を表示することで、探している事柄の対象を狭めることが可能だ。タイガースと検索すると、日本語検索ではまず阪神タイガースの情報を表示するが、同じくエンティティとして認識するMLBのデトロイト・タイガースも併せてリンクを表示されるため、元来どちらの検索意図であったとしても本当に探したかった事柄にたどり着きやすくなっている。

検索クエリが現実世界のエンティティとして複数の情報から構成される場合(たとえば、映画俳優が過去に出現した映画作品一覧など)は、Carousel(回転式棚)のフィーマットで検索結果に表示される。この昨日は日本では2週間ほど前の時点では一部の検索クエリで表示を確認できていたが、4日現在では確認できなかった。

Get smarter answers from the Knowledge Graph from Português to 日本語 to русский
http://insidesearch.blogspot.com/2012/12/get-smarter-answers-from-knowledge_4.html


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この記事を執筆した時点で、まだすべてのユーザーが利用できる状態ではないようです。私のMacでは確認できましたので、その検索結果を見ながら記事を執筆しています。

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