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T教授の「戦略的衝動買い」 第221回

話題の電子書籍端末「Kindle Paperwhite 3G」を衝動買い

2012年12月05日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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絵のない単行本や新書などのテキスト系はやはりKindle向きだ。フォントサイズや文字種、行間なども豊富なバリエーションで好きに表現できる

 やはりモノクロのKindleは背伸びをせずに、文庫本や新書のテキストコンテンツ向きだろう。前述したとおり、Kindleストアで購入した電子書籍コンテンツは、ユーザー独自の「クラウド」に保存される。ユーザーはKindle対応の電子書籍端末を複数持っていても、常に自分の各端末に、制限なく電子書籍コンテンツをダウンロードできる。

 筆者はKindleストアで購入したもうひとつのコンテンツである「父の暦」をKindleで少し読んだ後、アップルのApp Storeから自分のiPad miniに「Kindle for iPad」アプリをインストールし、同じコンテンツをダウンロードして読み進めていた。

 そして再度Kindleを持ちだして、「父の暦」の続きを読むために同じコンテンツを開いたところ、「iPad miniではXXページまで読んでいるがそこまで移動するか?」と、別の端末での進捗を知らせてくれた。「Whispersync」(ウィスパーシンク)と呼ばれるこの機能は、複数の端末を状況によって持ち替えて読書したいユーザーにとっては、極めて便利なサービスだ。

Whispersyncは、複数の端末を併用して読書を進めたいユーザーにとって、なくてはならない便利な機能だ。3Gモデルならその有用性はより高い

 Wi-Fiのみのモデルでもこのサービスは可能だが、このお知らせをきめ細かく受け取るには、3G回線でいつでもどこでもつながっている環境の方が有効だろう。Wi-Fiアクセスポイントだけに頼らず、いつでもどこでも書籍を購入できるという安心感と、Wikipediaの検索・参照の価値、きめ細かなWhispersyncの価値。これら3つを考えて、7980円のWi-Fiモデルと1万2980円の3Gモデルのどちらを選ぶかは、ユーザーの判断次第だろう。

電子書籍端末はクラウドサービスの
幅と機能、連携こそが重要

 本来はKindleストアで購入した電子書籍を読むための端末であるKindleではあるが、端末1台ごとにAmazonから割り当てられる無償のメールアドレスをうまく活用すれば、電子書籍閲覧以外にも端末を便利に活用することも可能だ。

Kindle、およびKindleアプリの入ったタブレットやスマホには、固有のメールアドレスがAmazonから発行される。「My Kindle」でこれら端末の管理できる

PowerPointスライドのPDF化ファイルを、メールの添付で私のKindleに送ってみた

 筆者は割り振られたメールアドレス宛に、パソコン上でPDF化したOfficeアプリの出力を送付して、Kindleやそれ以外のAmazonクライアント機器で見たり、プレゼンテーションに活用している。この機能から、電子書籍リーダーに留まらないKindleの拡張性や応用性が見えてくる。

Kindleを電子書籍リーダーだけではなく、プレゼンテーションの小道具として、また自宅にあるさまざまな商品の電子マニュアルとして活用できる。読書コンテンツの少なさをカバーするにはいい使い方かも……

 国内の電子書籍ビジネスを見ると、クラウドサービスまで含めて考えた場合、Amazonは一歩二歩ではなく、すでに十歩先を行っていると言わざるをえない※1。電子書籍ビジネスで重要なのは、端末単体のスペックの優劣ではなく、コンテンツの豊富さに加えて、端末の高機能を意味あるものにするクラウドサービスの幅と機能、そしてナチュラルな連携が極めて重要なのだ。
編注:クラウドストレージを書庫として扱い、複数端末間でコンテンツや読書状況を同期する機能は、「BookLive!」なども提供している。

■Amazon.co.jpで購入
T教授

今回の衝動買い

アイテム:Kindle Paperwhite 3G
価格:Amazonサイトにて1万2980円で購入

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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