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新バージョンの特徴をデモンストレーションで披露

まさに原点回帰!使いやすさを最優先したdesknet's NEO

2012年11月29日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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11月28日、ネオジャパンは同社の主力グループウェア「desknet's」の最新版「desknet's NEO」の発表会を開催した。ソーシャルやモバイル、クラウドなどのトレンドを取り込みつつ、desknet's NEOでは「使いやすさ」を最優先した。

グループウェアは枯れていない

 desknet'sは、サイボウズOfficeと双肩をなす国産Webグループウェアの代表的な製品で、2002年の発売開始から累計276万ユーザー(2012年9月現在)の販売実績を持つという。desknet's NEOは「10年使い続けることのできる製品」を目指し、HTML5でユーザーインターフェイスを刷新した。全部で25のアプリケーションを搭載しており、スケジュールやメール、文書管理、ワークフローなどの一般的な機能のほか、安否確認や来訪者管理など他社製品にないようなユニークな機能も搭載する。

ネオジャパン 代表取締役社長の斎藤晶議氏

 発表会の冒頭、挨拶に立ったネオジャパン 代表取締役社長の斎藤晶議氏は、desknet's NEOのポイントとして「マルチデバイス」「BYOD」「ソーシャル」「ビッグデータ」「クラウド」の5つを挙げた。マルチデバイスやBYODに関しては、ユーザーインターフェイスの刷新やスマートフォン用の専用ユーザーインターフェイスを実現したと説明。また、「ビッグデータ」の導入についても言及し、ユーザーが使えば使うほど溜まっていく情報を効率的に検索したり、登録された情報に重みを付けて評価したり、外部のデータを分析する機能を今後実装していくと説明した。グループウェアからのビッグデータ利用に関して言及されたのは興味深い。

マルチデバイスへの対応

ビッグデータ分野での機能強化

 斎藤氏は、「グループウェアは(新機能が出尽くして)『枯れている』と言われることも多いが、実際はビッグデータの活用など拡がりはある。ユーザーさんに、これじゃないとダメと言われる製品を作らなければならない」と今後の意気込みを述べた。また、これまで通り、クラウド版はあくまでパートナー向けの商材と位置づけており、パッケージ版との両面展開を堅持していく方向性も示された。

画面で見るdesknet's NEO

 続いてネオジャパン マーケティング統括部 プロダクトマーケティング担当 山田志貴氏が、デモを披露しながら、desknet's NEOの特徴について説明した。

ネオジャパン マーケティング統括部 プロダクトマーケティング担当 山田志貴氏

 斎藤社長が挙げた5つのポイントに対し、山田氏が強調したのが、「誰もが使いこなせる『やさしさ』と『わかりやすさ』」。既存のWebアプリケーションでは実現できなかった直感的な操作感、誰もが毎日使いたくなる工夫、丸みを帯びた新ロゴに至るまで、奇をてらわない使いやすさへのこだわりこそが、新バージョンの最大の特徴だと語る。

 そして、こうしたdesknet's NEOの使いやすさを実現したのが、HTML5になる。従来同社ではActiveXやFlash、Ajax、WPF、Silverlightなど最新のユーザーインターフェイス技術を用い、既存のWebアプリケーションの超える操作性を実現してきた。しかし、これらの技術は、いわゆる標準技術ではなく、長い期間利用できる保証もなかった。これに対し、HTML5は業界標準の技術として、今後普及していくのが見えているため、安心して利用できる説明した。

過去にさまざまな技術を使ってきた

今後はHTML5でマルチデバイスに対応する

 以下、山田氏が披露したデモ画面を元に、desknet's NEOの操作性について見ていく。

一番利用されるログイン画面が背面の画像ファイルを簡単に入れ替えられる

HTML5で美しく一新されたトップ画面にアプリのアイコンが並ぶ

右のペインにある付箋を貼りつけておくことが可能

ソーシャル対応は今回の目玉。ネオツイでTwitterのような短文配信ができる

スケジュールもよりカラフルに、より使いやすく変身

もっとも使われるスケジュールでは登録画面が大きく整理。サブメニューが左に出る

会議招集で「履歴」というモードが用意されたので、登録も楽に

ワークフローでは承認経路をより細かく設定できる

メールはDenbunのユーザーインターフェイスを採用。使い勝手を落とさない

スマートフォン版には専用のユーザーインターフェイスを採用

スケジュールも狭い画面に最大限の情報を詰め込んだ感じ

 最後、山田氏はライセンス体系やバージョンアップについて説明した。まず既存ユーザーのアップグレードは無償で、後日移行ツール(2013年2月以降)を提供するとのこと。提供形態は、社内やレンタルサーバーのサーバーにインストールするパッケージ型と、月額課金のクラウド型の2つを用意する。さらに今までスタンダード・ミドル・エンタープライズの区分けがなくし、全バイナリで機能差は存在しないようにした。

 一方、ライセンスはエンタープライズライセンスとスモールライセンスの2種類を用意。100~数万ユーザーに対応し、OracleやSQL Serverなどを選択できる「エンタープライズライセンス」は、300ユーザーで150万円(年間サポートサービスを含む)。従来のミドルと同じ価格に値下げされ、10ユーザー単位でライセンスを追加できる。こちらは12月5日より発売を開始し、5~300ユーザーに対応し、PostgreSQLを採用する「スモールライセンス」は来年の2月以降に提供される。

 クラウドに注力する他社に対し、あくまで原点回帰といえる使い勝手を追求したdesknet's NEO。スケジュールに六曜を表示する、役割を定義したロールの概念を取り入れる一方で、社員の利用制限にならないよう「いいね」ボタンをあえて付けないといった、細かい工夫がいくつも取り込まれている。ユーザーの満足度の高さを大きな売りにする同社が、この先どのようなフィードバックを製品に導入していくのか、興味深いところだ。

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