ソニー「NEX-5R」&「NEX-6」の画質を徹底チェック!

文●周防克弥

2012年11月29日 12時00分

 ソニーのミラーレス一眼デジカメ「NEX」シリーズの秋の新作「NEX-5R」と「NEX-6」が発売となった(関連記事)。

 NEX-5R(ボディーのみの実売価格は8万円前後)はミドルクラスモデル、NEX-6(同9万5000円前後)はその上位機種で最上位機種(NEX-7)の1つ下のクラスという位置づけだが、共に無線LANに対応し、別途アプリケーションのインストールが行えるようになっているのが特徴だ。

タッチパネル液晶搭載の「NEX-5R」

「NEX-5R」は従来の「NEX-5N」と同じサイズ。幅110.8×奥行き38.9×高さ58.8mmで、電池とメモリーカード込み重量は約276g
本体正面と背面。従来のNEX-5シリーズと同じ配置だが、右上のコントロールダイヤルが特徴的。NEX-5Rの液晶はタッチ操作に対応した
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薄いボディーは健在。電源スイッチの位置がシャッターボタンと同軸になったため操作性が上がっている
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背面液晶は上方に約180度、下方に約50度動かすことができ、自分撮りが可能

 NEX-5Rは「NEX-5N」の後継機にあたり、基本デザインを踏襲。見た目の変更点は右手側にあった大きめの電源スイッチがコントロールダイヤルに変更になったほか、可変液晶が自分撮りできるよう、対面側(上方向に180度)まで可動するようになった。

EVFとアクセサリーシューを装備した「NEX-6」

「NEX-6」は「NEX-7」と同サイズ。幅119.9×奥行き42.6×高さ66.9mm、電池とメモリーカード込みの重量は約345g
正面と背面。液晶サイズは3型。インターフェースは従来のNEXと同様だ。動画の記録ボタンは邪魔になりにくく、かつ押しやすい位置に移動している
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上面は大きめのモードダイヤルとマルチインターフェースシューが目立つ。モードダイヤルのクリック感は固めで、不意に回ってしまうことは少ない
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背面液晶は上方に約90度、下方に約45度傾く

 NEX-6はデザイン的にNEX-7のイメージに近い。NEX-7では操作を行なうコントロールダイヤルが2つ並んでいたが、NEX-6ではモードダイヤルと同軸に配置されたコントロールダイヤルが1つ備わっている。

 NEX-6にはストロボも内蔵され、汎用ストロボを取り付け可能な「マルチインターフェースシュー」やEVFまで備わっている。仕様的にもNEX-7にかなり近い印象だ。

外観は結構異なるNEX-5RとNEX-6

左がNEX-6で右がNEX-5R。EVFやマルチインターフェースシューの有/無があり、ひと周り程サイズに違いがある
左がNEX-6で右がNEX-5R。共に親指で操作しやすい位置にコントロールダイヤルが備わる
バッテリーはどちらも共通の「NP-FW50」。ただし、背面液晶使用時の撮影可能枚数は、NEX-6が360枚(EVF使用時は270枚)、NEX-5Rが330枚となっている

 どちらも新規に採用されたのが、同社のデジタル一眼レフのフラッグシップモデル「α99」でも同様の機能が搭載されている「ファストハイブリッドAF」だ。

 ミラーレス一眼では通常、AF制御は撮像素子面でのコントラスト検出方式になるが、この2機種では撮像素子面に位相差検出用のセンサーを埋め込むことでコントラスト検出方式と位相差検出方式の2つのAF検出機能を備えている。

 実際、動きのある被写体の追従性は高くなっているのと、普通の撮影時でもAFの合焦スピードが速くなったのが実感できる。

新しい標準キット用ズームレンズ「E PZ 16mm-50mm/F3.5-5.6」(このレンズが付属するキットは+1万5000円ほど)。35mm版換算で約24-70mm相当。最短撮影距離は広角側(左)で約25cm、望遠側(右)で約30cm。ズーム操作をしても長さはあまり変わらない。ズーム操作は電動だ

 このファストハイブリッドAFは、「E PZ 16mm-50mm/F3.5-5.6」といった新しいレンズにははじめから対応しているが、従来のレンズではファームウェアのアップデートが必要。すでにいくつかのレンズを持っていてカメラを買い足す場合には、NEX-6もしくはNEX-5Rに装着した状態でファームウェアのアップデートを行なうことをお忘れなく。



どちらも画質は基本的に一緒

 撮像素子はNEX-5RNEX-6ともにAPS-Cサイズで、有効画素数は約1610万画素の「Exmor APS HD CMOSセンサー」を採用する。感度はISO 100からISO 25600まで設定可能だ。

NEX-5Rの感度別撮影サンプル

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ISO 100
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ISO 200
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ISO 400
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ISO 800
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ISO 1600
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ISO 3200
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ISO 6400
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ISO 12800
ISO 25600

NEX-6の感度別撮影サンプル

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ISO 800
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ISO 1600
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ISO 3200
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ISO 12800
ISO 25600

 2機種で感度を変えて撮影したが結果はほぼ一緒。一応、本体の性能差を見るために同じレンズに付け替えて撮影しているのだが、データを見比べても区別はつかない。

 ノイズはISO 1600から目に付くようになり、ISO 3200以降で結構目立つ。それでもISO 6400まではノイズ処理されるのでさほどではないが、ISO 12800以降で大幅にノイズが増加しはじめる。ザラツキ感は大きいがディテールが結構残る方向性だ。

 撮影モードも完全フルオートの「プレミアムおまかせオート」をはじめ、プログラムAE,絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアル、スイングパノラマ、シーンセレクションなどはどちらも利用可能。撮影機能についても同等だ。

Dレンジオプティマイザーの撮影サンプル

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オフ
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オート
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Lv1
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Lv2
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Lv3
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Lv4
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HDRの撮影サンプル

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オフ
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オート
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1EV
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2EV
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3EV
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4EV
5EV

 おなじみの「Dレンジオプティマイザー」と「オートHDR」機能も引き続き搭載されている。ハイライトやシャドーの補正に有効な機能で、Dレンジオプティマイザーは若干暗部にノイズが乗りやすいのがネックだが、1回のシャッターで効果が得られる。

 HDRのほうがノイズのないクリアな映像になるが、複数回のシャッターが必要なため、動きのある被写体やカメラが動きやすい場合には失敗する可能性が高い。どちらも自然に大きな効果が得られるので明暗朝の激しいシーンでの撮影には重宝する。



多彩なレンズ補正機能を試す

メニューからレンズ補正の切り替えが可能。デフォルトではすべてオートになっている。あえてオフにする必要はないだろう

 2機種ともメニュー項目にレンズ補正があり、周辺光量、倍率色収差、歪曲収差の補正をオートかオフかで選択ができる。新レンズを装着してみたところ歪曲収差補正の項目だけはグレーアウトして設定がオートのまま変更できなかったが、ほかの2つの収差補正のオン/オフは可能だったので試してみた。

歪曲収差補正「オート」の撮影サンプル

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広角側 F3.5
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広角側 F4
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広角側 F5.6
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広角側 F8
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広角側 F11
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広角側 F16
広角側 F22
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望遠側 F5.6
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望遠側 F8
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望遠側 F11
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望遠側 F16
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望遠側 F22
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望遠側 F32
望遠側 F36

歪曲収差補正と周辺光量補正「オート」の撮影サンプル

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広角側 F3.5
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広角側 F4
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広角側 F5.6
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広角側 F8
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広角側 F11
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広角側 F16
広角側 F22
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望遠側 F5.6
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望遠側 F8
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望遠側 F11
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望遠側 F16
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望遠側 F22
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望遠側 F32
望遠側 F36

歪曲収差補正と倍率色収差補正「オート」の撮影サンプル

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広角側 F3.5
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広角側 F4
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広角側 F5.6
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広角側 F8
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広角側 F11
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広角側 F16
広角側 F22
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望遠側 F5.6
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望遠側 F8
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望遠側 F11
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望遠側 F16
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望遠側 F22
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望遠側 F32
望遠側 F36

歪曲収差補正、倍率色収差補正、周辺光量補正「オート」の撮影サンプル

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広角側 F3.5
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広角側 F4
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広角側 F5.6
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広角側 F8
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広角側 F11
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広角側 F16
広角側 F22
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望遠側 F5.6
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望遠側 F8
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望遠側 F11
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望遠側 F16
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望遠側 F22
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望遠側 F32
望遠側 F36

 上のサンプルはすべてNEX-6で撮影したもの。詳しく見てみると画面全体的に均一な性能だ。広角側は開放から解像感が高く、絞りをF5.6まで絞ると一番よくなる。それ以上絞っていくとどんどん解像感が低下。周辺部でも同様の傾向だ。

 望遠側は絞り開放だと解像感が低く、1段絞ったF8が一番よくなる。周辺部も似たような傾向で1段は絞ったほうがよさそうだ。

 レンズ補正機能は基本的にすべてオートで問題ないだろう。あえて周辺部を暗くしたい場合には周辺光量補正をオフにするのもありだ。



アプリ追加で機能を好みで拡張できる

 NEX-5RNEX-6の大きな特徴といえるのが無線LANとアプリ追加機能だ。無線LANの内蔵によりスマートフォンやタブレットとの連携が可能で、カメラのリモートコントロールや画像のダイレクト転送が可能になる。それらの機能を利用するには専用アプリの「PlayMemories Mobile」が必要。iOS版とAndroid版が無償でダウンロードできる。

無線LANを利用してカメラから直接ネットにアクセスすることで、アプリをダウンロードすることができる

 また、カメラ側にも「PlayMemories Camera Apps」というアプリを導入する必要がある。ダウンロードにはユーザー登録が必要で、カメラ本体、もしくはPCからアプリをダウンロードできる(PCにダウンロードした場合はUSB経由でインストールする)。

 PlayMemories Camera Appsは機能によってアプリが個別に用意されており、アプリによっては有償のものもある。いずれにしても、自分の使いたい機能だけをチョイスして導入できるのはうれしい部分だ。

明るさやコントラスト、彩度や美肌効果の調整を撮影後の画像から選んで処理できる「フォトレタッチ」アプリ
標準でもいくつか入っている「ピクチャーエフェクト」を拡張する「ピクチャーエフェクト+」。拡張された機能には「+」のマークがついている。重複する項目もあるが、微調整できる項目が増えている

ピクチャーエフェクトの撮影サンプル

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ポップカラー
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ポスタリゼーション
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レトロフォト
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ソフトハイキー+
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パートカラー+
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ハイコントラストモノクロ
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ソフトフォーカス
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絵画調HDR
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リッチトーンモノクロ
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ミニチュア+
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水彩画風
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イラスト風
トイカメラ+

 NEX-5R、NEX-6ともに特殊な効果を付与する「ピクチャーエフェクト」が標準で搭載されているが、アプリの「ピクチャーエフェクト+」を導入することで機能が拡張される。効果名の後に「+」が付いてるのは追加されたエフェクト。主に既存のエフェクトに調整する機能が付加される。

 現状では上記2つのアプリのほか、カメラから画像を直接SNSサービスにアップロードできるようにする「ダイレクトアップロード」と、スマホから遠隔でライブビューの確認とシャッターが切れるようにする「スマートリモコン」が用意されている。今後の展開が楽しみだ。

ラインナップの強化で
使用目的によって選べる「NEX」シリーズ

 ミラーレス一眼の中では人気の高いNEXシリーズ。ちょっと機種が多くなってきた印象もあるが、幅広い層に対応でき、目的にあわせて上から下まで揃ってきたのはいいことだ。

 タッチパネルの有/無や液晶の可変角度、インターフェースの違いで差別化をしているが基本機能としてはNEX-5RNEX-6はほぼ共通。インターフェースの違いからNEX-5Rはオートを主体に気軽さを重視するスタイル、NEX-6はマニュアル操作を重視したより写真好きな人におすすめだ。



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