The Amazing Spider-Manの場合、さらにSD画質とHD画質の2種類が選択できるが、ダウンロードした場合の容量と時間を考えてSDを選択した。レンタルではさらに2種類の再生パターンがあり、「ダウンロード」と「ストリーミング」のいずれかを選択できる。ストリーミングはネットワーク接続が前提となるため、今回飛行機で楽しむためなので、ダウンロードを選んだ。
購入プロセスに進むと、支払いオプションの選択画面になる。「Microsoftアカウント」にクレジットカードを登録していた場合、ここでオプションの一覧に表示される。しかも、これらのサービスを利用する場合、登録住所が米国であることが求められるため、米国で発行されたクレジットカードが必須となる(住所欄で初めから「United States」で固定されている)。
筆者は米国発行のクレジットカードを持っているが、なぜか今回は登録の際に住所情報で弾かれてしまい、登録できなかった。仕方がないので「PayPal」を支払い方式に選択し、ここにクレジットカード情報を登録した。ちなみに後に試してみたところ、支払いオプションの選択画面で「新しい支払い方法」を選択し、ここでカード情報を新規に入力すると、なぜか今度は普通に通ってしまった。理由は不明だが、このカード情報の扱いの不安定さはストレスフルだ。
購入プロセスの完了したレンタル映画は、プロセス完了直後から数えて14日間まで再生が可能で、一度再生を開始すると24時間で有効期限が切れるようになっている。このあたりの仕組みはiTunesの映画配信サービスに近い。ただし注意するのは、ダウンロード中もこのカウントダウンが進んでいるため、実際には14日間フルよりも再生可能期間は短くなる。
しかもダウンロードファイルのサイズは大きい。上映時間が約2時間半の「The Amazing Spider-Man」が1.52GB。実験用にダウンロードした「Abraham Lincoln: Vampire Hunter」は、上映時間が約2時間で1.17GBだ。Surfaceの32GB版はもともと、空き容量が標準で十数GB程度しかないため、これを格納するのは容量的にかなり圧迫する。
しかも米国のワイヤレスネットワーク回線事情を考えれば、GB級のファイルをダウンロードするのは時間やコスト面でかなり困難だ。筆者の場合、購入したばかりのWindows Phone 8端末「Lumia 920」を使い、LTE回線で2本の映画をダウンロードしたのだが、合計で40分以上時間がかかってしまった。しかも1本は途中でダウンロードが失敗。その場合は再度0%からスタートすることになった。
筆者の回線契約では、4GB/月までは通常料金でカバーされるが、2本目の映画をダウンロードしている途中で65%の超過警告(つまり2.6GBオーバー)が携帯にSMSとして送信されてくる状態なので、かなり回線負荷が高い。
今回はいくつかのテストを行なうため、米国から日本への飛行機に乗る過程で2本の映画をダウンロード。さらに「Step Up」(映画、プレビュー版)をストリーミング再生を選択して購入プロセスだけを済ませ、あとは「Green Day」の楽曲アルバムを1本購入してみた。
ストリーミング再生はファイル保存の必要がないためストレージ容量を食わないほか、ダウンロードプロセスを経ずに、購入後すぐに再生を開始できるというメリットがある。ストリーミング再生とダウンロード再生を適時使い分けていく形が実際にはいいだろう。
だがタブレットは持ち出すことが多いデバイスである。自宅で映画を観るといった用途でなければ、ダウンロード購入したほうがなにかと楽だろう。飛行機のようなオフライン環境ではなおさらだ。