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スマートフォンやクラウド、HTML5への対応は?

未来のJavaはどうなる?オラクルがロードマップを披露

2012年11月14日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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11月13日、日本オラクルはOracle OpenWorldと併催される形で9月30日~10月4日に米サンフランシスコで開催されたJavaOne 2012の発表内容を踏まえ、Javaの最新動向を紹介する説明会を開催。SE/ME/EEの各エディションで今後予定されているロードマップなどを解説した。

未来のJavaを創造する

 まず説明を行なった同社のFusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャーの伊藤 敬氏は、今年のJavaOneで示されたメッセージが“Make the Future Java(未来のJavaを創造する)”だったことを紹介した。

日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャー 伊藤 敬氏

 同氏は、1年前のJavaOne 2011で示されたJavaの戦略が「新しい時代の“Write Once Run Anywhere”を実現」「開発者に新たな次元の生産性と容易な開発環境を提供」「コミュニティとの相乗効果を強化し、Javaテクノロジーの進化を促進」だったことを振り返り、今年のメッセージが昨年のメッセージを引き継ぎ、強化したものとなっていると語った。

今年のJavaOneのキー・メッセージ

Java MEはプラットフォームを再整理

 続いて、同社のJava Embedded Global Sales Unit シニア・セールス・コンサルタントの笹沼 満氏が、Java SE、JavaFX、Java Embeddedの最新動向について紹介した。

日本オラクル Java Embedded Global Sales Unit シニア・セールス・コンサルタント 笹沼 満氏

 PC等のハイパフォーマンスなクライアント端末を対象とするJava SEは2年ごとにメジャーアップデートが行なわれるスケジュールとなっており、次のJava SE 8は2013年後半にリリース予定であることから、今年はいわば狭間の時期に相当する。ただし、現行のJava SE 7に対するアップデートは継続的に行なわれており、Java SE 8で実装される予定の新機能についてもかなり見えてきている。

 同氏は、今年のJavaOneでの大きなニュースとして、新JavaScriptエンジンである“Nashorn”がOpenJDKライセンスで公開されることが発表されたことや、新世代のGUI環境であるJavaFXが着実に進化を続け、Linux/ARMプラットフォームなどのサポートも充実してきていることを紹介した。

Java SE 8(2013年後半リリース予定)で予定される新機能 Java SEとJavaFXのロードマップ

 また、組み込み用途やモバイルデバイスなどをカバーするエディションであるJava MEに関しては、プラットフォームの再整理が行なわれたことが紹介された。フットプリントが小さい方から、Java Card、CLDC(Connected Limited Device Configuration/Small Embedded)、CDC(Connected Device Configuration/Mid Embedded)、SE Embedded(High Embedded)の現行の4種類のプラットフォームはJava Card、Java ME 8、Java SE 8の3種に整理され、Java ME 8は現行のCLDCに相当するSmall Embeddedのみを対象とし、Mid EmbeddedとHigh EmbeddedはJava SE 8でカバーされることになった。

Java MEのプロファイルの変更。これが現状の区分2013年から、Java MEのプロファイルの区分がこのように変更される

 これは、スマートフォンやタブレット端末といった、従来はフットプリントの小さなモバイルデバイスと位置づけられていたデバイス群の性能向上が著しく、リソースや性能面でもユーザーの使い方の面でも、従来のPCとほぼ同等の存在となりつつあることを反映したものだろう。ただし、フットプリントに対する配慮は当然行なわれ、2013年にリリース予定のSE Embedded 8 Compactプロファイルでは、最小で10MB程度のサイズから段階的に機能拡張が可能な形で提供されることになる。

Java SE 8 Compactプロファイルでのフットプリントの削減Java SE 8 Compactプロファイルでのフットプリントの削減

Java EEではHTML5とシンプル化にフォーカス

 最後に、Java EEに関して同社のFusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアJavaエバンジェリストの寺田 佳央氏が説明を行なった。

日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアJavaエバンジェリスト 寺田 佳央氏

 Java EE 7に関しては、JavaOne開催前に当初予定されていたクラウド対応が見送られることが決定されたというニュースが流れたが、実際に2013年春にリリース予定のJava EE 7ではHTML5とシンプル化にフォーカスし、クラウド対応とモジュール化対応はJava EE 8に持ち越されることになった。この理由について同氏は「Java EEは末永く使える標準技術を目指すものであるため、最新技術をいち早く取り入れても誰も使わなくなるようなことは避ける方針だ。クラウド関連技術の現時点での標準化は時期尚早だと判断した結果」だと語り、コミュニティからもこの決定は支持されていると強調した。

Java EEの直近のリリースごとの目標Java EE 7で予定される新機能/機能拡張

 一方で、Java EE 7には様々な新機能の実装や既存機能の拡張が予定されており、中でもWebSocketへの対応は重要なポイントだとしてデモを交えた紹介も行なわれた。WebSocketは元々はHTML5の仕様策定の過程で浮上した仕組みだが、現在はW3CとIETFが仕様策定を進めており、RFC 6455として標準化提案が行なわれているものだ。Java EEに特化した技術ではないが、Java EE側では“Java API for WebSocket(JSR-356)”で対応を進めている(現在はEarly Draftの段階)。同氏は、サーバサイドのアプリケーション実行環境として多くのアドバンテージを持つJava EE環境でWebSocketがサポートされることで、ユーザー/アプリケーションに多くのメリットがもたらされるとしている。

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