撮像素子が小さい……
と思いきや、普段使いにはちょうどいいかも
CXフォーマットは同じミラーレスのフォーサーズ(マイクロフォーサーズ)やAPS-Cサイズセンサーに比べて撮像素子が小さくコンデジに近いため、近接性能が高く、コンパクトにできる点が利点でもある。
しかし撮像素子が小さい分、他社のミラーレスよりも背景をぼかしにくいのだが、逆に考えるとフォーサーズやAPS-Cサイズではピント浅すぎて必要な部分がぼけてしまうことも多い。
筆者は実際にマイクロフォーサーズやAPS-Cサイズのミラーレス一眼も使っているが背景をぼかす必要性よりも十分な範囲にピントが合わない不便さや近接性能が低いほうが気になっている。
今回、V2を使ってみて、普通に使うにはこれくらいの撮像素子のサイズは便利だとつくづく思った。背景をぼかして何かを撮影する場合、その被写体を強調するためだが、多くの場合に、それほど大きくない被写体に近寄って撮影するので1型の素子サイズでも十分に背景をぼかすことができるのだ。
花や食べ物、おもちゃといったよく撮る被写体だと、フォーサーズやAPS-Cサイズのミラーレスに付属する汎用性の高い標準ズームやパンケーキレンズではなかなか近づけず、思ったよりも引いて撮影しなければいけない場合が多い。
しかし、V2の標準ズームはコンデジに比べると寄れないのだが、ほかのミラーレス機よりは近寄って撮影することができる。
画質の点では若干の不利はあるものの、明るい屋外などで感度をそれほど上げなければ大きく差が出るわけでもない。素子サイズの差によるアドバンテージはそれほど感じることはなく、日常的に使用するには最適な印象を受けた。
一眼レフデジカメにも劣らないAFの反応速度やマニュアル操作のしやすいコマンドダイヤルなど、ハイエンド志向のユーザーにも満足できる操作系を搭載し、1型サイズとは思えないくらいによく写るので業務目的でなければフォーサーズやAPS-Cサイズのミラーレスよりも扱いやすい面がある。
もちろん、シーンは限定されるが、絞りをある程度開けても被写界深度が深くとれるので、業務用途でも十分にこなせる実力は持っている。
できるだけ機材を軽くしつつも画質をあまり犠牲にしたくないユーザーには、このNikon1 V2はお薦めだ。