最近どうもゲームでの動きにキレがない、特に今一つエイミング(照準づけ)が甘くて、絶好のチャンスを逃しがち……自分の腕がナマったのか、対戦相手のレベルが上がったのか、自分が“より大人になった”からなのか……原因は千差万別だ。
だが、原因の1つとして考えられるのがインプットデバイスの「操作感」や「精度」が劣るためだ。特にFPS/RTS系では狙ったところにスパッと照準やマウスポインタを動かせないと勝負にならない。
ところがPCゲームの場合は、豊富に用意されているゲーミングデバイスの性能を上げることで、「ある程度は(ここ大事)」カバーすることができる。そこで今回は、今チェックしておきたいPC用ゲーミングデバイスを片っ端から紹介してみたい。
ゲームの腕がデバイスで変化するなんて邪道だ! と思うかもしれないが、ゲームデバイスの選択でテンションは大きく変わる。本体に同梱されたチープなデバイスで楽しむよりも、フィット感や性能を吟味したデバイスで楽しんだ方が楽しいに決まってるのだ!
そこで第1回目にとり上げるのは、ゲーマーの右手のかわりとなる最重要デバイス「マウス」を採り上げる。いずれも高性能の光学・レーザーセンサーを搭載した製品ばかりだ。
師のアシストで華麗なプレイを目指せ
SteelSeries「Sensei」
実売価格:1万800円前後
製品情報
SteelSeries社製「Sensei」といえば、マウス内部にPentium 75MHz相当のプロセッサーを内蔵している、ということで話題を集めたハイエンドゲーミングマウスだ。本製品に搭載されている最大11400dpiの高解像度レーザーセンサーは、1世代前の「Xai Laser(5001dpi)」の2倍以上を誇る。まさにレーザー式ゲーミングマウスの“先生”というべき高スペックなマウスなのだ。
このマウスはそのスペックの割に見た目は非常に大人しい。外見だけならこの後に紹介する「R.A.T.5」や「Naga Hex」の方がインパクト大なのだが、濃すぎて机の上の雰囲気には合わない可能性もある。もちろん銀ピカのSenseiも浮きまくる可能性は十分あるが、外見だけは非常に大人しい(色を黒にして底面ディスプレイを廃した廉価版「Sensei Raw」もある)。
ただそのおかげか、ゲーミングマウスには珍しく左右どちらの手で操作しても破綻しない設計になっているのは非常にうれしい。小さなペンタブを使いながら、左手でマウスを操作するような使い方をするなら、このマウスは非常にオススメだ。つまみ持ちでもかぶせ持ちでもホールドしやすいため、使い手を選ばない点も見逃せない。
Senseiを先生と呼ぶに足る最大の理由は、スペックやデザインではない。内蔵プロセッサーによる様々な動き補正系の機能が豊富だからだ。専用の設定ツール、あるいはマウスに内蔵された設定機能を用いると次の設定項目が出現する。
EXACTSENS | マウスの解像度。ホイール下のボタンを押して2種類のdpi設定を切り換えることができる。 |
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EXACTLIFT | 凹凸のある操作面やマウスを持ち上げた時のポインタのブレを抑制する“リフトオフディスタンス”を調整する項目。 |
EXACTACCEL | いわゆる加速度の設定。標準では「0」に設定されている。 |
EXACTAIM | ゆっくり動かす時はdpiを下げ、速く動かすと本来のdpiに戻るというもの。他社製品にある「スナイパーボタン」をソフト的に実現するものだ。 |
FREEMOVE | 動きをリアルタイムで補正し、ある程度の範囲内のブレをキャンセルするためのもの。直線的に照準を動かしてもブレまくってしまう人でも、楽に横薙ぎ射撃ができるようになる。 |
と、このように設定要素が山盛りなので、自分の手と操作スキルに合った設定を見つけ出せれば、かなり強力な武器となることは確かだ。ただ実際に使った感じでは、EXACTAIMは変に照準がブレるようになるし、FREEMOVEも強すぎると脳内照準と実際の動きの乖離が激しくなってしまう。
そして、Sensei唯一の欠点といえるのが独特のフワッとした加速感だ。使う人やマウスパッドの組み合せでも変化するらしいが、今回のテスト環境では微妙な加速感がついており、照準をパッパッと動かして戻す時に微妙にズレる感触が強かった。
先生の教えやクセにぴったりとハマれば最高の武器になるが、そうでない場合もあるので、購入時はぜひ触れてみることをオススメしたい。
Senseiのもう1つの欠点は設定ツールの分かりにくさ。どこをどうやればマウス内蔵メモリーに保存されるのか直感的にわかりにくい。ボディのイルミネーションの発光色を1677万色から選べるみたいな、無駄にハイスペックな機能をつけるなら、もう少し分かりやすくして欲しいところだ。
独特の加速感も含めて“先生のアシスト”に順応できれば、どんなゲーマーでもそれなりにシャープなエイミングができるマウスとなるが、上級者になるほど脳内エイミングと現実のズレが気になるかもしれない。ゲーム上でもガチの腕勝負がしたい! という人は補正機能のない別のマウスを使ったほうがいいだろう。
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