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Windows RTタブレットのリファレンス機器

これは日本でも売るべき! Microsoft Surfaceを体験

2012年11月03日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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「Windowsならでは」の使い勝手が光るWindows RT
問題はWindows 8スタイルアプリの充実

自分なりの環境を構築してみたSurfaceのスタート画面。当然だが見た目はWindows 8と変わらない

 Surfaceをしばらく使っていて感じるのは、Windows RTが予想以上に快適なことだ。プロセッサーが1GHz強で動くTegra 3なので、例えばWindows UpdateでのOSやOfficeアプリのアップデートをさせたりすると、さすがに普段使っているCore i7のようにはいかず、かなり待たされる。しかしWindows 8スタイルのアプリを使ったり、ウェブブラウジングをしたりといった用途では、取り立てて遅いという印象は受けなかった。

Surfaceのシステム画面。CPUは1.3GHzのTegra 3でメモリは2GB。Windowsエクスペリエンスインデックスはなぜかない

700MBほどあるOffice 2013 RTのアップデート中の様子。ダウンロードとインストールで1時間以上かかった。インストール中のCPU負荷は、動作周波数1~1.2GHz程度で50%ほどの負荷

 それ以上に「使いやすいな」と感じたのは、Windowsなので今までのWindowsの経験がそのまま適用できること。OSの設定や操作で戸惑うことはないし(記者はすでにスタート画面に慣れているせいもある)、ネットワークや基本的な周辺機器も、Windows 7と同じように使える。無線LAN経由で家庭内LANに接続してみたが、LAN内のパソコンやメディアサーバーが当たり前のように表示され、共有フォルダー内にある動画を再生できた。

コントロールパネルの「デバイスとプリンター」を表示してみた。Surfaceに接続したUSBキーボード(Logicool Illuminate Keyboard)が正しく認識されているほか、家庭内LAN上にあるほかのパソコンやメディアサーバーも認識されている

 タブレットとしてのSurfaceは、かなり魅力的なハードウェアであると言える。デザインや質感は上質で、軽さや薄さも平均的。Touch Coverのアイデアや使い勝手も悪くない。Windows RTも軽快に動作するので、これが599ドルで販売されるのだから、マイクロソフトのパートナーだったパソコンメーカーが懸念を示すのも理解できる。これだけの製品を世界の主要市場で大量投入されたら、ほかのWindows RTタブレットは存在意義がなくなりかねないからだ。

 一方で、やはりOSがWindows RTであるという点は、Surfaceの大きな弱点でもある。Surfaceの問題というよりWindows RTの問題であるが、今までのWindowsアプリが動かせない、周辺機器のデバイスドライバーも別途必要というのは厳しい。Windows 8スタイルのアプリが増えてくれないことには、iPadやAndroidタブレットをしのぐことは難しい。

 Surfaceは優れたデザインで軽く薄く、バッテリー駆動時間も長い。まさにWindows RTのリファレンスとなるタブレットだ。一方で他のパソコンメーカーが発表したWindows RT製品の中には、既存のノートパソコンとの違いがあまり見えないものもある。既存のWindowsアプリが使えないというハンデがある以上、Windows RTを搭載するマシンに求められるのは、パソコンでは実現できない軽さや薄さ、バッテリー駆動といった特徴だ。それが実現できないWindows RT製品では、Surfaceとは戦えないだろう。

 これだけ優秀なWindows RTタブレットであるSurfaceが、日本で発売されないというのは実にもったいない。Windows 8スタイルアプリの開発促進という面からでも、これが日本市場にないというのは損失だと感じる。Surfaceの日本投入を切に期待したい。

Microsoft Surface(32GB)の主な仕様
CPU Tegra 3(1.3GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス CPU内蔵
ディスプレー 10.6型 1366×768ドット
ストレージ SSD 32GB
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェース USB 2.0、micro HDMI出力、microSDXCカードスロット、ヘッドホンなど
サイズ 幅10.81×奥行き6.77×高さ0.37インチ
(幅27.5×奥行き17.2×高さ9.4mm)
質量 約1.5ポンド(約680g)
バッテリー駆動時間 約8時間
OS Windows RT
価格 599ドル(Touch Cover付き)

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