逃げる86、追うメロン号！　飛騨高山の激戦を勝ち抜け！

2012年10月31日 21時27分更新

文● 中村信博　●撮影／中島正義

のるかそるかの限界ギリギリ勝負を制したメロン号

　よし、やった！　メロン号、残る2本のステージでもトップを譲らず、今期3勝目をゲット。シリーズポイント14点（イベント優勝ポイント10点＋デイ1ポイント1点＋デイ2ポイント3点）を得て、さらにランキングトップとの差を縮めることができた。27秒差をひっくり返しての大逆転優勝だ!!

表彰式で今回のラリーを振り返る眞貝／田中ペア。眞貝選手「今回と次を絶対に勝たなきゃならない状況の中で、CUSCO 86のスピードが速くて想定以上に差が広がらずに少し気が焦ったところがありました。SS2のスピンはそれが原因ですね」

　以下、CUSCO 86の猛攻をしのぎきった久與レビンがイベント総合2位に入賞。総合3位にはCUSCO 86が入ったが、一方でデイ2タイムをみるとGAZOO 86に0.3秒差でデイ3位を奪われており、獲得したシリーズポイントは8点（イベント3位ポイント6点＋デイ1ポイント2点＋デイ2ポイント0点）にとどまっていた。結果的にメロン号は、CUSCO 86とのポイント差を当初予測していたよりも大きく縮めることができたのだ。

メロン号に立ちはだかったCUSCO 86

　これによりJN-3クラスのチャンピオンレースは、BOOBOWブーンの70ポイントを先頭に、2位CUSCO 86の69.5ポイント、3位にメロン号の69ポイント。なんと最終戦を前にしてチャンピオン候補の3台が1ポイント以内で争うという、これまで誰も見たことがないような僅差の戦いになったのである！

全日本ラリー第8戦　M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2012 ダイジェスト

　お膳立てはそろった。今回の高山戦で、チャンピオン候補はBOOBOWブーン、CUSCO 86、それにメロン号の3台に絞られることになった。わずか1ポイント差で争うこの3台のうち、最終戦でいちばん高い順位を獲ったマシンが今年のドライバーズチャンピオンとなる。いずれもチャンピオンにふさわしいスピードを誇るマシンで、その戦いは文字通りの死闘となるに違いない。

勝利の祝いとして帰りに立ち寄ったのは、日本一の日帰り温泉として番付にも入った「ひらゆの森」。ようやく高山らしい本物の温泉に入って、疲れも吹き飛んだ！

　決戦の舞台は、11月3～4日に愛知県新城市で開催される全日本ラリー選手権最終戦「新城ラリー」。国内で開催されるターマックラリーで最も難易度が高いイベントにおいて、ただ1台のJN-3クラスチャンピオンが決せられる。1年間にわたった戦いを制して、最後に笑うのはいったいどのマシンなのか？　2度目のチャンプを目指すMRC2012の最後の挑戦を、是非とも見守っていて欲しい!!