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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第9回

逃げる86、追うメロン号! 飛騨高山の激戦を勝ち抜け!

2012年10月31日 21時27分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義

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セレモニアルスタートと共に
今シーズン最大の激闘が幕を開けた

 午前11時、いよいよセレモニアルスタート。メロン号が出場しているJN-3クラスも、CUSCO 86を先頭にゲート前に並ぶ。午前11時14分、会場に集った観客の拍手に送られて、ゼッケン15「メロンブックスDUNLOPテインBRIGインテグラ」がスタート。MRC2度目のチャンピオン奪取に向けて、いよいよ負けられない戦いが始まる!

続々とスタートゲートをくぐるライバルたち。いずれも最強の公道ランナーにふさわしい実力派ぞろいだ

本日最初のサービスAに入ったメロン号。ブレーキタッチがイマイチということで、ブレーキ周りのチェックと交換を行なう。眞貝選手もケータリングのオニギリを食べながらメカニックの作業を見守っていた

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS1/駄吉下り I
(6.30km)
3:08.1(TOP)3:08.1(TOP)
SS2/駄吉下り II
(6.30km)
3:34.7(+29.2)3:34.7(+27.1)

SS2/駄吉下り II

 SS1をベストタイムで上がり、順調にラリーをスタートしたかに思えたメロン号。ところが、続くSS2のタイムが一向に速報サイトに上がってこない。ヤキモキするうちに表示されたタイムは、なんとトップから約30秒も遅れたタイム! こりゃSS2で何かあったな……。

 クルーからの連絡を待って状況を確認すると、SS2の中間地点でスピンして復帰に時間がかかってしまったとのこと。これでメロン号は、一気にJN-3クラス7番手へと順位を落としてしまった。フルポイント優勝を目指している我々にとって、この展開は非常にマズい!!

秋らしくススキが揺れる無数河牛牧ステージは、デイ1、2ともに観客ステージに。だだっ広い駐車場の一角に設けられているので、折り畳み椅子を持参する観客が多かった。ん? むこうに怪しい緑の人影が……

 思い返せば1年半前。2011年開幕戦の唐津で、スピンして最下位まで落ち込んだメロン号だったが、その後にフルアタックをかけて挽回し、見事にクラス優勝を飾った一件があった。だが、今回は「1日たりともトップを落とせない」という条件があるので、状況はより一層悪い。これで今年もチャンピオンに届かなかったか……と、筆者もなかば諦めかけていた。

 ところが、こんな最悪の状況下でも諦めの悪い奴らがいたのである。そう、メロン号を駆っている眞貝選手、それにコドライバー田中直哉選手の2人のクルーだ。ここからメロン号は、筆者をはじめ誰もが信じられぬほどの大逆転劇をみせるのだ!

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS3/無数河→牛牧Ⅰ
(14.65km)
11:26.4(TOP)18:09.2(+17.8)

SS3/無数河→牛牧Ⅰ

 なんとこの1本のステージで、一気に10秒追いついてクラス3番手に! トップまではあと18秒弱で、このままのペースを維持できるなら、今日中は無理でも明日のデイ2にはトップに立てるはずだ。でも、今日のうちにトップに立たなければデイポイントが低迷して、シリーズ争いで不利になってしまう……。

毎度おなじみメロンブックスの出張販売店は、観客ステージの一角に設けられていた。あっ、デカめろんちゃんの背後からせまる怪しい人が!(※注:メロンブックスの社員さんです)

サービスB。ブレーキのレスポンスが再び悪化したとの報告を受け、より綿密にブレーキ周りのチェックを行う。さらにスペアタイヤを1本にして軽量化、本日最終のSS4に向けてフルアタックの体勢が整った

 ところが、今回はトップ争いが非常に緊迫していた。トップのCUSCO 86に遅れること5.3秒の2番手には久與レビン(山口清司選手/島津雅彦選手組)が入っていて、両者で猛烈なつばぜり合いとなっていた。もし今日のデイポイント1位が取れなくても、明日にメロン号がトップ、2番手にこのまま久與レビンが入ってくれれば、3位のCUSCO 86はデイポイントを1点しか取れずにシリーズ争いも振り出しに戻すことができる。逆転を信じて、ここはフルアタックだ!

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS4/無数河→牛牧 II
(14.65km)
11:27.3(TOP)29:36.5(+2.3)

SS4/無数河→牛牧 II

 デイ1最終ステージ、メロン号はSS3に続いてここSS4でも連続ベストタイム。上位陣が軒並みタイムを落としたのを尻目に、本日3本目の最速タイムを叩き出したメロン号、わずか2本のSSだけで、トップから残り2秒の場所まで追いついた!

本日最終のサービスCは陽もとっぷり暮れた頃。冷たい空気のなか明かりが灯されたチームブースにメロン号が帰ってきた。1時間の長いサービス時刻、明日の4本のステージに向けてしっかりと整備を行なう

 このステージで順位が入れ替わり、久與レビンが先頭に。CUSCO 86はトップから2.1秒差の2番手となっていた。これで1日目のデイポイントが確定して、2位のCUSCO 86はデイポイント2点、3位メロン号はデイポイント1点を確保。ライバルに差し引き1点の差をつけられてしまった。

 だが、明日の2日目にメロン号がトップに立ってデイポイント3点を奪い、2位と3位がこのままの順番で推移してCUSCO 86がデイポイント1点に留まってくれたら、今日の損失を帳消しにすることができるのだ。もうここまできたら祈るより他はない。たのむ、久與レビンの山口選手! CUSCO 86を抑えきってくれ!!

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