BDレコーダー10番勝負九本目!! 録画画質
ではいよいよ実際に画質を見比べてその違いを見ていこう。画質調整に関してはどちらも標準設定のままとしている。地デジやBSデジタル放送を切り換えながら見ていくと、チューナーの性能はどちらも同レベル。放送としては十分な精細感が得られている。
対決21 テレビの画質がいいのはどっち?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★
画質調整としてはやや厳しいソースだが、夜の東京を空撮で捉えたドキュメント番組を見たところ、どちらもノイズ感が極めて少ないことに感心した。地デジのノイズは多くの人にとって気になるところで、そこをしっかりと対策していることがよくわかる。
パナソニックはやや黒の引き込みが強いものの、ビルのエッジなどはより精細でカチっとした印象になる。対してソニーは微妙な光までよく出るなど、明暗の再現の幅が広いコントラストの高い映像だ。階調感も自然だ。
このほか、ニュース番組やドラマなどをいくつか見てみたが、パナソニックは輪郭の誇張感のない素直な再現ながらもキレ味がよく、鮮鋭感豊かな映像と感じる。アナウンサーの肌の色の再現はきめ細やかで質感もよく出ている。ソニーはコントラスト感に優れたメリハリ感を持ちながら、全体的には自然なバランスにまとまっている。
正直なところ、どちらもなかなかの画質で、これはもはや好みの差としか言えない。画質勝負で引き分けはどうにも消化不良な感じなのだが、ここは引き分けだ。
対決22 アニメをきれいに見られるのはどっち?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★
ここでは、アニメモードやノイズリダクション機能を駆使してノイズ感のない再現ができるかどうかを確認した。ちなみに、いくつかのアニメ番組を見たところ、デジタル制作の最新アニメでは、どちらのアニメモード(ソニーはアニメモード的設定)でも大きな差がなかった。
基本的には放送アニメで目立ちやすい圧縮によるノイズの発生や輪郭の描線の乱れを抑える働きのようで、元の品質がいい場合は、特にアニメモードを選ぶ必要はなさそうだ。
反面、主にチェックで使用したやや古めのテレビアニメの場合は、各種のノイズ抑制が有効に働いていたので、転送レートの低い地デジのアニメでもさらに効果があるだろう。
パナソニックの場合は、アニメモードをオンとし、ブロックノイズリダクションとモスキートノイズリダクションは最大値としている。元がかなり荒れた場面を使用したこともあり、完全にノイズを除去するのは難しく、髪の毛の茶色や赤い装飾の部分がやや濁った印象になっている。感心したのは顔の輪郭の描線がもやつかずにすっきりと再現されたこと。比較的カチっとした見通しのよい映像になった。
ソニーは、画質調整からアニメ・CGリマスターとスムージングを最大の「3」とし、各種ノイズリダクションはすべて「入」としている。赤い装飾や茶色の髪の濁った感じはよく抑えられている。輪郭の描線はくっきりとした表現だが、周囲にわずかなモスキートノイズがあってもやついた印象になる。
希望としては、モスキートノイズの調整をもう少し強められるとうれしい。専用にチューニングされたアニメモードではなく、筆者の調整値であるため、ソニーには厳しい結果だが、ここはパナソニックが僅差で優位だ。
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