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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 ― 第4回

誰のためのデバイス? 「iPad mini」その性能と市場競争力

2012年10月24日 16時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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誰のためのデバイス?

 iPadが登場してから2年半が経過していますが、依然として「iPadをどのように使えばいいか分からない」という意見を聞きます。購入するまではそのように感じていたり、「いらない」と思っていたとしても、いざ、家庭の食卓に1台置かれると、事態は一変します。一番変化が大きいのは、家庭の中、しかもそれまでたまにしかパソコンを使っていなかった人でしょう。

 使うときにいちいち出し入れしていたパソコンの場合、通販で何か買おう、メールをチェックしよう、レシピを調べよう……いろいろな目的がありますが、わざわざ引っ張り出して起動し、ネットにつなぐ、というのでは足が遠のいてしまいます。iPadはそのサイズから、常に何気なくそばにあるデバイスになります。すると、ネットサーフィンやメール、ビデオ電話などの頻度が飛躍的に向上します。

 よりネットやコンピューティングを身近に、というユーザーにとっては、引き続き9.7インチのiPadが重要になってくるでしょう。あるいは、現在ビジネスの文脈で導入されているプロユースの場合も同様です。店頭での顧客へのプレゼンテーション端末、医療分野、航空機のマニュアルなど、プロ向けの活用の場合、画面は大きい方が良いのです。

AppleはiPad miniの様々な使用シーンを見せていますが、9.7インチモデルとの差別化でいえば「電子書籍」「電子教科書」の存在が大きく響いてきます

 一方、個人が出先で活用するモバイルユースは、今回の7.9インチのサイズの方が、およそ半分になった軽さや薄さは、ノートPCとの共存を邪魔しない存在として注目することができます。重たいモノを持ちたくない、もしくはもともと持てない子供にとって、小さいサイズのiPadは疲れずに使えて、勉強を続けられる最良の道具になりそうです。

 Appleはプレゼンテーションで、薄さを鉛筆に、重さをノートパッドにそれぞれ例えました。また今回の発表ではiBooksとiBooks Authorのバージョンアップを紹介し、iPadがより教育に近い存在としてのアピールをしています。価格が下がったこと、小型化されたこと、電子書籍や電子教科書の環境をより整えたことは、偶然の一致ではないでしょう。

 AppleのiPad miniの教育に対するフォーカスは小さいものではなく、教室中でiPad miniが使われている未来を、描いているのかも知れません。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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