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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第4回

誰のためのデバイス? 「iPad mini」その性能と市場競争力

2012年10月24日 16時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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iPadの資産を最大限に生かす点が、最大の競争力

 さて、iPad miniは薄型化、軽量化、小型化されたのが特徴である点は名前の通りです。ディスプレーは他社の7インチタブレットが16:9や16:10の縦長のサイズを採用していますが、iPad miniは7.9インチ1024×768ピクセルの4:3のサイズになりました。これは従来のiPadと同じ縦横の比率となります。

 iPad miniで最大級に褒めるべきは、この4:3の画面を維持した点です。これは、他社のタブレットに対する、到底追いつけない大きな競争優位性になるでしょう。

iPad miniは現在のiPadと同じ1024×768ドットの4:3解像度。ここがiPad mini最大のポイントです

 Appleは同じ発表会の中で、iPad向けアプリが27万5千本に達したと発表しました。2010年4月のiPad発売から約2年半で達成した数字ですが、App Storeの70万本に比べると、その速度はiPhoneよりは幾分緩やかと言うことができるでしょう。画面の大きなタブレット向けのアプリはその設計が難しく、優秀なデザインやインターフェイスを作り込むまでにスマートフォン以上の時間がかかっている点が指摘できます。

 AndroidタブレットやMicrosoftのSurfaceも、例外なく同じ問題に直面しています。Androidタブレットにもアプリは増えていますが、数の面と質の面、そしてユーザーの経験の面でiPadに追いつくのは難しそうです。Microsoftはまさに今週からスタートさせるところです。

 Appleはこれまで、iPadを1億台販売したと発表しました。この台数や、iPad/iPad miniの体制で、iPadのデバイス・アプリを含めたエコシステムに、他社のデバイスやプラットフォームがそう簡単に追いつくとは考えにくいのです。

プラットフォームの原則は先行者優位。世界で1億台を売ってきたiPad、そしてiTunes Storeが培ってきたユーザー市場を切り崩すのは至難の業といえそうです

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