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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第4回

誰のためのデバイス? 「iPad mini」その性能と市場競争力

2012年10月24日 16時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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 米国西海岸時間10月23日午前10時から、Appleは本社に近いシリコンバレー最大の都市、サンノゼで新製品の発表イベントを開催しました。発表されたのは、順にiBooks、MacBook Pro Retinaディスプレーモデル13インチ、Mac mini、iMac、iBooks Author、iPad Retinaディスプレーモデル(第4世代iPad)、そしてiPad miniです。

 Macのラインアップの刷新やiBooksの日本語対応など、トピックとして興味深いモノがたくさんありましたが、この記事ではiPad miniにフォーカスして考えていきましょう。

iPad miniは329ドルから(日本円で2万8800円から)。11月2日に発売です

親指だけで操作できるiPad! 海外メディアの評価も上々

 大は小を兼ねる、と良く言われますが、iPadの場合はどうでしょう。さっそくハンズオンに参加した海外メディアからは、「これは良い小型化だ」という評価が多く聞かれます。ただ小さくしただけでなく、ゼロから作り直されたことがよく分かる、というのです。

 特に評価が集まっているのは、質感の高さ。「アルミニウムの板のよう」とはThe Vergeのレビュー。また、iPad miniからiPhone 5に持ち変えると、あれだけ質感が高いと絶賛されていた「iPhone 5にプラスティック感をおぼえる」との評価は、Ars Technica。これらのことから、iPhoneよりもiPadよりも、iPad miniの触り心地と重さのバランスが絶妙なのでしょう。金属やガラスの表面だけでなく、重さのバランスも質感に大きな影響を与え、そのチューニングが素晴らしいのが今回のiPad mini、ということになりそうです。

 ディスプレーについては、解像度はオリジナルのiPadと同じながらサイズが小さくなっているため、Retinaとまではいかないまでも、キュッとつまった高密度な感覚に触れることができそうです。片手でどれくらい使えるのか、タイピングはどうなのか、といった部分は今後、使いながらの判断となっていくのではないでしょうか。

片手でつかみ、親指でタッチできる小型なiPad mini。その解像度は驚くべきことに現在のiPadと同じです

iPad miniとはどんなデバイス?

 Appleが発表したiPad miniは、その質感やキャラクターからして、最新のiPod touchの黒/白のモデルの4型ディスプレーを、7.9インチまで拡大させたというイメージ。アルミニウムとエッジを光らせた高級感のある加工、7.6mmという薄さ、そして308gという軽さは、iPadよりもiPod touchのキャラクターに近いデバイスと言えます。

 内蔵されているのはデュアルコアA5チップ、1GBメモリー、5群レンズを使った500万画素iSightカメラ、720pに対応するFaceTime HDカメラ、Bluetooth 4.0、5GHzに対応するWi-Fi、そしてLightningコネクターに対応。iPod touchと決定的に違うのは、これまでのiPadと同様、LTE通信に対応すること。これまで限られたキャリアしかLTEに対応せず、日本でも長らく3Gのみの対応でしたが、iPad miniでは世界中のより多くのキャリアのLTE通信に対応します。

PoPにはデュアルコアのA5チップを搭載。LTE通信にも対応します

 中でも、フィル・シラー上級副社長は壇上で、世界中のLTEをサポートする点を紹介する際、日本の「KDDI」という名前を強調していました。日本市場ではこれまでソフトバンクが独占していたiPadが、KDDIからも販売されることになります。また、iPhone 5と同じLTE対応であれば、1700MHz帯域を利用するイーモバイルLTEでも通信ができることになります。通信プランや料金、テザリングの有無について、各社の発表を待ちましょう。

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