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最新パーツ性能チェック 第134回

VisheraことAMD「FX-8350」は低予算自作に革命を起こすか?

2012年10月23日 13時01分更新

文● 加藤 勝明

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総合ベンチマークも試す

 総合ベンチマーク「PCMark7」および「Sandra」最新版のテスト結果もチェックしてみよう。ここではプラットフォームとしての性能差を見るため、FX環境を除きすべて内蔵GPUだけで計測している。

PCMark7 (単位:score) better→

 FX-8350の評価は少々残念なスコアになってしまったが、この理由は内訳を見ると明らかになる。FX-8350はゲーム性能(Graphics-DirectX9)では他のCPUの内蔵GPUに大差をつけて勝つが、動画変換テスト(Video transcoding-downscaling)や画像処理(Image Manipulation)、暗号の復号処理(Data Decrypting)などでCore iファミリーに後れをとってしまう。PiledriverでIPCが増えても、まだまだインテル製CPUには及ばないということだ。

PCMark7 スコア内訳
モデルナンバー FX-8350 FX-8150 A10-5800K Core i5-3570K Core i3-3225
Video playback
(単位:fps)
23.06 23.07 23.10 23.16 23.11
Video transcoding-downscaling
(単位:KB/sec)
5168.34 4557.68 4038.81 34036.38 31128.72
System storage-Gaming
(単位:MB/sec)
16.63 16.42 16.69 16.67 16.72
Graphics-DrectX9
(単位:fps)
54.50 46.76 27.17 21.17 18.13
Image Manipulation
(単位:Mpx/sec)
8.57 8.22 8.87 12.32 10.87
System storage-importing pictures
(単位:MB/sec)
22.85 22.66 23.10 22.18 22.43
Web browsing
(単位:pages/sec)
17.39 14.58 14.94 22.88 14.81
Data decrypting
(単位:MB/sec)
84.43 74.03 79.21 122.63 52.38
System Storage-Windows Defender
(単位:MB/sec)
5.49 5.44 5.56 5.51 5.50

 続いてSandraだが、まずは“マルチコアの効率”テスト。扱うデータの量(横軸)を次々に変化させつつ、コア間のデータの帯域幅(縦軸、単位はGB/秒)を見るというものだ。

Sandra2012 マルチコアの効率 (単位:GB/sec) better↑

 2コア4スレッドのCore i3-3225だけ山の位置が左にずれているが、他の4CPUのピークはほぼ同じ。数値をみる限り、コア間のデータ帯域はCore i5-3570Kより若干太い程度ということがわかる。

 続いては同じSandraの“キャッシュとメモリー”テスト。こちらも扱うデータ量(横軸)ごとにメモリーからどの程度高速にデータが読み出せるか(縦軸、単位GB/秒)を比較する。

Sandra2012 キャッシュとメモリー (単位:GB/sec) better↑

 動作クロックが速い分、FX-8350はFX-8150をそのまま上にスライドさせたような結果になっているが、ほぼ全域に渡ってCore i5-3570Kの方が速い。本来なら2次キャッシュの容量が多いFXシリーズの方が上の方に陣取るはずだが、FXの2次キャッシュの範囲内(1MB以下)で負けている。内蔵メモリーコントローラーの効率的にも、完成度はいまひとつのようだ。
 定格の動作クロックとコア数で勝ち、コア同士の帯域でも勝っているが、コアの処理効率やメモリーやキャッシュの性能の伸び悩みが性能評価の低さに繋がっているといえる。

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