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最新パーツ性能チェック ― 第134回

VisheraことAMD「FX-8350」は低予算自作に革命を起こすか?

2012年10月23日 13時01分更新

文● 加藤 勝明

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 2012年10月23日、AMDは約1年ぶりにメインストリーム向けCPU「AMD FXシリーズ」のラインナップを一新。8コア/4GHz動作の「FX-8350」を筆頭とする4製品をリリースした。

AMD FXシリーズ最上位モデルとなる「FX-8350」

 これらは先月リリースされた「AMD Aシリーズ APU」シリーズと同じ、Bulldozerの改良版アーキテクチャー“Piledriver”を採り入れたもの。開発コード“Vishera”の名で知られていた製品だ。
 今回はそのフラッグシップモデルである「FX-8350」を入手。新設計でリニューアルされたAMD渾身の多コアCPUの実力をチェックしてみたい。

8コア4GHzで1万8000円前後

 それでは新FXシリーズの仕様からチェックしよう。1世代前のFXシリーズとの共通点は、キャッシュメモリーの構成やSocket AM3+マザーで利用できること、全モデル倍率ロックフリーであることの3点だ。

8コア版の新FXシリーズの内部構成。2コア+2MBの2次キャッシュが1つのモジュールとなり、それを2~4個と3次キャッシュという構成は1世代前のZambezi時代と全く同じだ。新FXシリーズの改良点は個々のコアの内部に集中している

 一番重要なのは価格設定の安さ。最上位の8コア/4GHz動作/倍率ロックフリーのFX-8350でさえ価格は1万8000円前後。性能はともかく、安価で多コアなCPUとしては結構アリな価格設定といえるだろう。

スペック比較表
モデルナンバー FX-8350 FX-8320 FX-6300 FX-4300 FX-8150
世代 Piledriver Piledriver Piledriver Piledriver Bulldozer
コア数/スレッド数 8 / 8 8 / 8 6 / 6 4 / 4 8 / 8
コアクロック 4.0GHz 3.5GHz 3.5GHz 3.8GHz 3.6GHz
ターボ時クロック 4.2GHz 4.0GHz 4.1GHz 4.0GHz 4.2GHz
L2キャッシュ 8MB 8MB 6MB 4MB 8MB
L3キャッシュ 8MB 8MB 8MB 4MB 8MB
TDP 125W 125W 95W 95W 125W
価格 1万8000円前後 1万5500円前後 1万3000円前後 1万1000円前後 1万5000円前後

 基本設計はBulldozerの改良版という位置づけなので、2コアで1つのBulldozerモジュールを共有3次キャッシュで繋ぐという構造は従来と同じ。コア数も4~8と、1世代前とまったく変化していない。
 動作クロックは8コアのFX-8350が定格4GHz動作に到達するなど、1世代前に比べ全体が高クロック化している。しかしTurbo Core時の最高クロックは従来と同じ4.2GHzと大差ない。後追いで登場した「FX-4170」のように、定格クロックが高めのモデルが出るかは不明だ。
 ちなみに、今回登場した4製品のモデルナンバーは百の位が全て「3」になっている(千の位がコア数を表している)。

今回入手したFX-8350(左)。OPNは「FD8350FRW8KHK」となっていた。右は比較用に準備した1世代前のフラッグシップ「FX-8150」だ。表面の刻印以外は両者を見分ける術はない
ソケットはAM3+を引き続き使用するため、裏面のピン配置も同じ。インテル製CPUのように裏面にキャパシターを配置しないため、裏面だけで新旧の見分けは不可能だ
CPU-Zによるステータス表示

 Piledriverでは、CPUコア内部にある分岐予測の強化やL2キャッシュの効率化などを盛り込んだ。その結果としてIPC(Instruction Per Clock/CPUにおけるクロックあたりの命令実行数)は1世代前と比較するとCPUコア単体では7%、クロックの増加分を含めてIPCは15%程度向上するという。Bulldozerの弱点はシングルコア性能の低さであったが、これがどの程度改善されているかが、注目ポイントとなるだろう。

CPUコアの機能的なブロック図だが、緑色に着色されている部分がPiledriverで改良された部分。改良点はコア全体の半分程度に及んでいることがわかる

 また、細かい点だがTurbo Coreによる自動OCのステージは1世代前だと「全コアターボ時」と「最高ターボ時」の2つに分けられていた。例えばFX-8150の場合全コアに負荷をかけた場合は3.9GHzまでだが、半数のコアまでなら4.2GHzまで上がるというもの。しかしFX-8350の場合は定格(ベース)が4GHz、最高4.2GHzというあっさりとした表記に変更された。定格クロックが上がったおかげで中間のステージを設ける意味がなくなったための変更だと思われる。

CINEBENCHを使い、FX-8150で8コア(左)および4コア(右)に負荷をかけた状態。動作クロックを見ると、8コア動作時は半数のコアだけ3.9GHz、残り4コアは3.6GHzに落ち込んでしまう(ツールはAMD OverDriveを使用)
こちらはFX-8350で同じテストをしたもの。8コアのうち半数以上が4GHz(20倍)まで落ちているが、ベースクロックが高めに設定されているためクロック差がほとんどない

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