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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第9回

因縁のラリー北海道でメロン号は4位フィニッシュ!

2012年10月16日 18時04分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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絶対完走を目標にデイ1スタート!

 9月15日、デイ1。早朝の十勝平野は濃霧に包まれていた。この日は帯広の北東約100kmのところにある陸別町を基点に、周辺の3本のステージを3回に分けて巡ることになっている。サポート隊は先に陸別へと向かうAチームと、朝1発目のサービスを行なってから移動するBチームの2手に分かれた。筆者はBチームに同行して、メロン号の本番に向けた最後のメンテナンスに立ち会うことになった。

早朝の十勝平野は濃霧の中。陸別サーキットでは朝早くからたくさんの観客がチケットを求めて並んでいた

最初のサービスAでは、前夜に使ったランプポッドの取り外しとルーフへのカメラ取り付け。その間、コドライバーの田中直哉選手はラリーコンピュータへのデータ入力に忙しい

 メロン号を送り出したあと、筆者達も陸別へと出発。いよいよ本番ステージの開幕だ。無事に走りきってくれたらいいが……。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS2/ニュークンネイワⅠ
(28.04km)
17:37.1(+41.5)18:58.7(+41.5)
SS3/リクベツロングⅠ
(4.63km)
4:07.4(+10.3)23:06.1(+51.8)

SS2/ニュークンネイワⅠ

眞貝知志選手「今回のラリーで一番苦しかったニュークンネイワステージの1本目です。ただでさえとても難しいステージに、ノーマルミッションの足かせも加わり、本当に苦しい苦しいステージとなりました。ここで無理して壊したら意味が無いので、「この加速していない時間がインテグラの寿命を延ばしているのだ!」と自らに言い聞かせながらの走行となりました」

 ドライバーの眞貝選手もコメントしているが、実は今回のメロン号のミッションは純正ノーマルが搭載されている。クロスミッション搭載が一般的なラリーマシンでは裏技に近いものがあるのだが、ノーマルミッションは駆動系にかかる負担が少なく耐久性が高い。その反面、加速が悪くなるのでタイムが伸びない上に、とっさの際にアクセルで向きを変えることが難しいので、慎重な操作が要求されるのだ。眞貝選手にとって、ひたすら我慢のラリーが続く。

筆者たちが陸別についた頃には、霧もすっかり晴れて気持ちのいい青空が。普段はこんなバギーがレースをしている場所なのだ

ベースとなる帯広から遠く離れているため、ここ陸別にはリモートサービスという簡易的なメンテナンス地点が設けられる。マシンがやってくるまでに、サポート隊は手早く昼食を済ませた。今回のホスピフードは「ささ身の油淋鶏風」だ

メロン号が最初のリモートサービスに入ってきた。安全マージンをとって走っているため、マシンに問題はまったく無い。メンテのあいだにルーフカメラのSDカードを交換する

 陸別エリアの1ループ目。今回は86が速い! アフリカ選手権チャンプの三好秀昌選手が駆るCUSCO 86がブッチギリの速さをみせていて、2番手にはGAZOO 86(香川秀樹選手/浦雅史選手組)がつけ、86のワンツー体制だ。メロン号は86勢に遅れること20秒の3番手。一方、優勝大本命とみられていたBOOBOWブーンはターボトラブルで7番手と低迷している。このサービスBで修復されたようだから、いずれかのタイミングで反撃が始まることだろう。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS4/パウセカムイ Ⅰ
(9.98km)
6:26.8(+9.4)29:32.9(+58.8)
SS5/ニュークンネイワ II
(28.04km)
17:52.4(+58.7)47:25.3(+1:49.9)
SS6/リクベツロング II
(4.63km)
4:03.6(+2.9)51:28.9(+1:52.8)

SS6/リクベツロング II

眞貝選手「永遠に上手く走れそうにない(笑)、リクベツステージの2本目です。前半はターマックですが、ここで無理してクラッシュしてもダメなので完全に完走モードです。後半のグラベル区間、これはもうミッションがどうとかはあまり関係なく、本当に上手く走れる気がしないのですが、ウオータースプラッシュも、ヘアピンも、ジャンプも、全てカーケアが第一です」

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