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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第101回

ペンもタッチも快適に! Windows 8第一世代のVAIO Duo 11

2012年10月05日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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PCとしての性能は申し分なし
「ノートPCとして気に入るか」が選択の分かれ目

 PCとしての能力はどうだろう? Windows 8のWindowsエクスペリエンスインデックスは「5.5」。Windows 7のそれと同じ指針ではないため、値を直接比較するのは難しいが、操作感的にも同じCPUを採用したWindows 7マシンとそう大差ない快適さである。デスクトップ画面での軽さは、むしろWindows 8の方が上であるとすら感じる。

Duo 11のWindowsエクスペリエンスインデックスの値。最低値はCPU内蔵グラフィックス

 今回試用したモデルのCPUは、Core i5-3317U(1.7GHz)。ボトルネックはグラフィックだが、ここもWindows 7時代と同じ傾向である。GPU負荷の高いゲームをするのでない限り、少なくとも動作速度の面で「重い」と感じる機会は少ないはずだ。

別売りの「シートバッテリー」。本体底面に装着する「VAIO type X」型

 バッテリー駆動時間もかなり優秀だ。カタログ値は約7時間だが、バッテリーベンチマークツール「BBench」によるベンチマークの結果は、約5時間程度となっている。より長時間使いたい場合にはオプションの外付け型「シートバッテリー」を使うと、カタログ上は倍の14時間となる。本体とまったく同容量のバッテリーが外付けできるので、おそらく実働でも10時間程度動作する、という計算になる。昨今のUltrabookの水準で考えても、まったく問題ない値である。

BBenchによるバッテリー駆動時間テスト
バランス 省電力
約4時間28分 約4時間57分

 ちなみに、ペンは標準だと本体に収納できないが、シートバッテリーにはペンを収納する穴が用意されている。これはあくまで想像だが、開発陣としては、本体・ペン・シートバッテリーを、ある程度セットで使ってもらうつもりで考えているのではないだろうか。

 発熱の面でも大きな問題は感じない。アイドル時に問題ないのは当然だが、フルパワー時に高い発熱を感じるのは、本体中央後部の排気口周辺のみである。膝の上で使ってもさほど不快感は感じなかった。

各部の温度比較 放射温度計による測定、室温は26度。フルパワー時はH.264動画エンコード状態

 「スライド+タッチ」という面が目に付くDuo 11だが、モバイルノートとしての基本がそもそもしっかりしており、「フルHDのディスプレーを備えたモバイルノート」として選んでも満足できそうであるところが美点だ。Windows 8第一世代の製品として、非常に満足できるクオリティーといって間違いない。

 この製品を選ぶか否かは、ディスプレーの角度が固定である点や、内蔵のポインティングデバイスの操作性が悪い点など、「ノートPCとしての使い勝手」をどう判断するか、という点にかかっている。そこが許容できるなら、Duo 11は十分に買いといえる。

お勧めする人
・ペンが使えるノートPCを探している人
・フルHDの高解像度に魅力を感じる人
VAIO Duo 11の主な仕様
CPU Core i5-3317U(1.7GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス CPU内蔵
ディスプレー 11.6型ワイド 1920×1080ドット
ストレージ SSD 128GB
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n、WiMAX、Bluetooth 4.0
インターフェース USB 3.0×2、HDMI出力、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-TXなど
サイズ 幅319.9×奥行き199×高さ17.85mm
質量 約1.305kg
バッテリー駆動時間 約7時間
OS Windows 8 64bit
予想実売価格 15万円前後

■関連サイト

筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に「電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「災害時ケータイ&ネット活用BOOK」(共著、朝日新聞出版)、「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(エンターブレイン)、「リアルタイムレポート デジタル教科書のゆくえ」(TAC出版)、「スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場」(アスキー・メディアワークス)、「漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)。 最新刊は「ソニーとアップル 2大ブランドの次なるステージ」(朝日新聞出版)。

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