このページの本文へ

もしもツンデレ女子高生がBDを使うことになったら 第4回

お気に入りのビデオをデジタル変換してBDに保存する方法を解説

ツンデレ少女、ついにデレる!? VHS→デジタル変換の基本

2012年10月03日 11時00分更新

文● 藤春都 イラスト●花園あずき

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

VHSビデオのデジタル変換

●VHSビデオの取り込み

 生徒会長に頼んでみたら、簡単に生徒会準備室の鍵を貸してくれた。
 まあ、普段はただの荷物置き場だしねこの部屋。昔は写真の現像とかに使っていたとかで、やたら窓が小さくて黒くて重いカーテンがかかってる。
 ……また、この部屋でこいつと二人きりになるなんて、ねえ。

「さて、VHSをデジタル化するには専用の機械が必要です。アナログのVHSテープを読み込む部分、それをデジタルデータに変換する部分に分かれます」
 赤司は言いながら準備室に置かれた機材をぺしぺしと叩いた。学校の備品なんだからもうちょっと大事に扱いなさいよ。

 私は奴の指さすボタンをおそるおそる押して電源を入れる。
 なにしろ、この作業は私が自分でやるんだから! 間違っても赤司なんかに手伝ってもらってるわけじゃないのよ!

「まず、パソコンとビデオデッキを特殊なケーブルで繋いで、ビデオデッキから送られた映像をパソコン側で処理してデジタル化する方法があります」

アナログのビデオ信号をUSB経由でパソコンに取り込めるケーブルの例

(参考記事)

「この場合は映像を処理するためのソフトウェアが必要になりますが、パソコンにあらかじめインストールしておく場合と、ケーブルや機材の中にその機能が組み込まれている場合があります。『ソフトウェアエンコード』か『ハードウェアエンコード』か注意して下さい」

 赤白黄色とチューリップみたいに分岐したケーブルを手にして私が途方に暮れていると、

「もうひとつは、Blu-ray、DVD、VHSなどをまとめて扱える一体型のレコーダを使う方法ですかね。読み込んだVHSの内容をそのままディスクに保存することも可能ですし」

VHSビデオ一体型BDレコーダーの例

「……さっきとの違いは?」
「パソコンと接続する必要がなく、一台ですべて賄えるということです」
「そっちにするわ」
「まあ、初心者の葵さんはこちらのほうがお気軽でしょうね……」
「悪かったわね!」

●解像度、画質、エンコード

「では次に、解像度のことは覚えていらっしゃいます?」
「覚えてるわよ! あんた、私のことバカだと思ってるでしょ」
「少なくとも、テストではいつも僕より順位低いですよね」
「このっ……、これのことでしょ!」

解像度 利用例
720×480(※) アナログ放送、DVDなど
1440×1080 地上デジタル放送など
1920×1080(フルHD) ハイビジョン放送など

※アナログ放送のSD画質の数値

「そうですね。ただし下二つのデジタル放送の数値はこの通りですが、アナログに解像度という概念はありませんから、アナログ放送はあくまで『このくらいの画質』ということです」
「なんか大雑把な話ね……」
 そしてVHSビデオもアナログ映像ですので、デジタル化するときに自由に解像度を決めることができます」
「あ、そうなの? だったら数字を大きめにしておいたほうが見た目綺麗なのよね」
「そうです。ただし高解像度になればなるほど機械は高額になりますし、ソフトやパソコンも高性能なものが必要になりますが」

 やっぱり世の中金か。金なのか。

「世の中の世知辛さはともかくとして、デジタル化するときには解像度とともにエンコード規格も決める必要があります」
「日本だから円コードなの?」

 アメリカだとドルコードになったりするのかしら。

「残念ながらロシアでもエンコードです。映像の圧縮に関する規格のことです。解像度が高くなればなるほどデータ容量が大きくなるのはおわかりですよね?」
「ええと……ドットの数がそれだけ増えるからよね」
「そうです。データが大きすぎると扱いづらいので、なるべくクオリティを落とさずデータ容量を減らす手法がいくつも開発されています」

フォーマット名 画質 ファイルサイズ
H.264
MPEG2 DVDに利用されている
MPEG4 MPEG2より圧縮率が高い
AVI
MPEG1 Video-CD等に利用されている

※<http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/capture.html>参照

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中