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iPhone/iPad対応Bluetoothオーディオ「JBL OnBeat aWAKE」レビュー

iPadがJBL音質で鳴る、1.7万なら割といいんじゃないか?

2012年09月30日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ハイパワーで余裕の再生音

 オーディオ製品の最も大事な性能は音質である。

 ほかのワイヤレススピーカーが軒並みパッシブラジエーターを採用して「サイズを超えた重低音」が容易に実現できるようになった昨今、このスピーカーはエンクロージャーの設計で低域を確保しようとしている、稀な存在である。

 50mmフルレンジユニット2発に、バスレフポートのような穴が背面に2つ。マニュアルには「壁から5~8cm離して設置してください」と書いてある。これで低音を増強しようというわけである。

背面にある「スリップストリーム・ポート」と呼ばれるチューニングポート

 それでも低域の音圧は、パッシブラジエーターには負ける。だが、パッシブラジエーターは、ともすればブーミーで平板になりがち。ダンピングの足りないゴムのような音になってしまうキックも、OnBeat aWAKEは、コブシで机をヒットするような硬い音が出る。小型とはいえ、ちゃんとJBLらしいキャラが立っている。このキャラにはアンプのパワーも関係しているだろう。

 バッテリー内蔵型のスピーカーは消費電力との兼ね合いがあるので、無闇にパワーを上げられない。でも電源がACオンリーと決まっていれば、それなりに余裕をもたせられる。OnBeat aWAKEはこのサイズにしてはかなりのハイパワーで、片チャンネル7Wの計14W。一般的な小型スピーカーは片チャンネル2W程度だから、低域の飽和点もそれなりに高い。

 さらに気持ちいいのは、Bluetoorhに付き物のモジュレーションノイズをまったく感じない点だ。技術的な詳細は不明だが「HARMAN TRUE STREAM」という、Bluetoothを高品位で再生するアルゴリズムが使われているらしい。iOS機器と接続した場合は、AACコーデックでストリーミングされ、標準コーデックのSBCのような再変換ロスも少ない。

ボリュームはスピーカー側で調整する
突然の「ぐぐぐぐぐんまー!」に焦った

 ただ難を言えば、Bluetoorhの卓上スピーカーなのにスピーカーフォンの機能はない。そしてBluetooth接続時に、iOS機器本体のボリュームボタンで音量調整がきかない。ボリュームスライダーの付いた音楽アプリならいいが、ゲームアプリなんかではOnBeat aWAKEで設定したボリュームで、そのまま鳴ってしまう。

 うっかり真夜中に「ぐぐぐぐんま! ぐんま! ぐんまー!」と大音響を轟かせてしまった時には冷や汗をかいた(「ぐんまのやぼう」はまだ楽しいです)。

 それ以外に不満らしい不満はない。いずれ出てくるLightningコネクター対応機も気になるけれど、それはそれ。逆にドックコネクター付きの新製品はもうそれほど出てこないはず。アップルの新製品購入を踏みとどまった皆さんには、ワイヤレスとドック接続両対応のリーズナブルなスピーカーとしてオススメです。



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。


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